医薬品医療機器等法(薬機法)の改定情報

2020年 医薬品医療機器等法の改定情報 地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の定義

薬機法だけでなく、医療全般の改定も。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(平成31年3月19日提出)

概要

改定の趣旨
国民のニーズに応える優れた医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するとともに、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備するため、制度の見直しを行う。


改定の概要
1.医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度改善

 (1)「先駆け審査指定制度※」の法制化、小児の用法用量設定といった特定用途医薬品等への優先審査等
※先駆け審査指定制度…世界に先駆けて開発され早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる医薬品等を指定し、優先審査等の対象とする仕組み
 (2)「条件付き早期承認制度※」の法制化
※条件付き早期承認制度…患者数が少ない等により治験に長期間を要する医薬品等を、一定の有効性・安全性を前提に、条件付きで早期に承認する仕組み
 (3)最終的な製品の有効性、安全性に影響を及ぼさない医薬品等の製造方法等の変更について、事前に厚生労働大臣が確認した計画に沿って変更する場合に、承認制から届出制に見直し
 (4)継続的な改善・改良が行われる医療機器の特性やAI等による技術革新等に適切に対応する医療機器の承認制度の導入
 (5)適正使用の最新情報を医療現場に速やかに提供するため、添付文書の電子的な方法による提供の原則化
 (6)トレーサビリティ向上のため、医薬品等の包装等へのバーコード等の表示の義務付け等



2.住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局のあり方の見直し

 (1)薬剤師が、調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う義務,薬局薬剤師が、患者の薬剤の使用に関する情報を他医療提供施設の医師等に提供する努力義務
 (2)患者自身が自分に適した薬局を選択できるよう、機能別の薬局※の知事認定制度(名称独占)を導入
  ①入退院時や在宅医療に他医療提供施設と連携して対応できる薬局(地域連携薬局
  ②がん等の専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局(専門医療機関連携薬局
 (3)服薬指導について、対面義務の例外として、一定のルールの下で、テレビ電話等による服薬指導を規定等


3.信頼確保のための法令遵守体制等の整備

 (1)許可等業者に対する法令遵守体制の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)の義務付け
 (2)虚偽・誇大広告による医薬品等の販売に対する課徴金制度の創設
 (3)国内未承認の医薬品等の輸入に係る確認制度(薬監証明制度)の法制化、麻薬取締官等による捜査対象化
 (4)医薬品として用いる覚せい剤原料について、医薬品として用いる麻薬と同様、自己の治療目的の携行輸入等の許可制度を導入等


4.その他
 (1)医薬品等の安全性の確保や危害の発生防止等に関する施策の実施状況を評価・監視する医薬品等行政評価・監視委員会の設置
 (2)科学技術の発展等を踏まえた採血の制限の緩和等


施行期日
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日

※経過措置
1.(3)(5)、2.(2)及び3.(1)(2)については公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日
1.(6)については公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日



薬局が大きくかかわってくる部分は1-(5)と2-(1)(2)。

法律案要綱

添付文書の電子化部分

6添付文書の電子化に関する事項 
(一) 医薬品(要指導医薬品、一般用医薬品等を除く。)、医療機器(主として一般消費者の生活の用に供されることが目的とされている医療機器等を除く。)及び再生医療等製品については、注意事項等情報を電子情報処理組織を使用する方法等により公表し、当該情報を入手するために必要な符号をその容器等に記載しなければならないものとすること。(第五十二条第一項、第六十三条の二 第一項、第六十五条の三及び第六十八条の二関係)

(二) 当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の製造販売業者は、購入者等に対し、注意事項等情報の提供を行うために必要な体制を整備しなければならないものとすること。(第六十八条の二の二 関係)


薬局機能に関する部分
二 住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局の在り方の見直しに関する事項

1薬局の機能に関する認定制度の創設に関する事項

(一)地域連携薬局の認定に関する事項(第六条の二関係)
 イ  他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤等の適正な使用の推進及び効率的な提供に必要な機能を有する薬局は、都道府県知事の認定を受けて、地域連携薬局と称することができるものとすること。
 ロ イの認定を受けた薬局でないものは、地域連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならないものとすること。

(二)専門医療機関連携薬局の認定に関する事項(第六条の三関係)
 イ 他の医療提供施設と連携し、専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局は、がん等の傷病の区分ごとに都道府県知事の認定を受けて、専門医療機関連携薬局と称することができるものとすること。
 ロ 専門医療機関連携薬局と称するに当たっては、イの傷病の区分を明示しなければならないものとすること
 ハ イの認定を受けた薬局でないものは、専門医療機関連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならないものとすること


2薬局の薬剤師が薬剤を販売又は授与する際に行う必要な情報の提供又は薬学的知見に基づく指導について、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法等により薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法によることを可能とするこ と。(第九条の四第一項関係)

3薬局開設者は、薬剤等の適正な使用のため必要がある場合には、その薬局の薬剤師に、薬剤等の購入者等の当該薬剤等の使用状況を継続的に把握させるとともに、当該購入者等に対して必要な情報を提供させ、又は必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならないものとすること。(第九条の四第五項及び第三十六条の四第五項関係)

4その他所要の改正を行うこと。




新法律案 (薬機法の新設部分)

薬局機能に関する部分

地域連携薬局

第六条の二
薬局であつて、その機能が、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤及び医薬品の適正な使用の推進及び効率的な提供に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能に関する次に掲げる要件に該当するものは、その所在地の都道府県知事の認定を受けて地域連携薬局と称することができる。

 一 構造設備が、薬剤及び医薬品について情報の提供又は薬学的知見に基づく指導を受ける者(次号及び次条第一項において「利用者」という。)の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
→プライバシーに配慮した投薬口=健サポの要件と同じ
 
 二 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること

 三 地域の患者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び調剤された薬剤の販売又は授与の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。

 四 居宅等(薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第二十二条に規定する居宅等をいう。以下同じ。)における調剤並びに情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。


2前項の認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書をその薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 二 その薬局の名称及び所在地
 三 前項各号に掲げる事項の概要
 四 その他厚生労働省令で定める事項


3地域連携薬局でないものは、これに地域連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。


4第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う


専門医療機関連携薬局の部分
専門医療機関連携薬局

第六条の三
薬局であつて、その機能が、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、薬剤の適正な 使用の確保のために専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能に関する次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働省令で定めるがんその他の傷病の区分ごとに、その所在地の都道府県知事の認定を受けて専門医療機関連携薬局と称することができる。

 一 構造設備が、利用者の心身の状況に配慮する観点から必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。→プライバシーに配慮した投薬口=同上

 二 利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を他の医療提供施設と共有する体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。

 三 専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制が、厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。→がん専門薬剤師等の配置と考えられてる。


2前項の認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書をその薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 二 その薬局において専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行うために必要なものとして厚生労働省令で定める要件を満たす薬剤師の氏名
 三 その薬局の名称及び所在地
 四 前項各号に掲げる事項の概要
 五 その他厚生労働省令で定める事項


3第一項の認定を受けた者は、専門医療機関連携薬局と称するに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、同項に規定する傷病の区分を明示しなければならない。


4専門医療機関連携薬局でないものは、これに専門医療機関連携薬局又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

5第一項の認定は、一年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。


認定の基準

第六条の四
第六条の二第一項又は前条第一項の認定の申請者が、第七十(新設)五条第四項又は第五項の規定によりその受けた認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者であるときは、第六条の二第一項又は前条第一項の認定を与えないことができる。

2第五条(第三号に係る部分に限る。)の規定は、第六条の二第一項及び前条第一項の認定について準用する。



薬局の管理に関する部分
管理者の義務

第八条
3薬局の管理者が行う薬局の管理に関する業務及び薬局の管理者が遵守すべき事項については、厚生労働省令で定める。


薬局開設者の法令遵守体制

第九条の二
薬局開設者は、薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務を適正に遂行することにより、薬事に関する法令の規定の遵守を確保するために、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

 一 薬局の管理に関する業務について、薬局の管理者が有する権限を明らかにすること。
 二 薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務の遂行が法令に適合することを確保するための体制、当該薬局開設者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務の監督に係る体制その他の薬局開設者の業務の適正を確保するために必要なものとして厚生労働省令で定める体制を整備すること。
 三 前二号に掲げるもののほか、薬局開設者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すことその他の薬局開設者の業務の適正な遂行に必要なものとして厚生労働省令で定める措置

2薬局開設者は、前項各号に掲げる措置の内容を記録し、これを適切に保存しなければならない。



新法律案 (薬剤師法の新設部分)

継続的な情報提供に関する部分
情報の提供及び指導
第二十五条の二
2薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない

調剤録
第二十八条(略)2薬剤師は、薬局で調剤したときは、厚生労働省令で定めるところにより、調剤録に厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
→「調剤済みのとなった場合はこの限りではない」が削除



薬機法以外の改定

概要

改定の趣旨
医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るため、保険者間で被保険者資格の情報を一元的に管理する仕組みの創設及びその適切な実施等のために医療機関等へ支援を行う医療情報化支援基金の創設、医療及び介護給付の費用の状況等に関する情報の連結解析及び提供に関する仕組みの創設、市町村において高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する枠組みの構築、被扶養者の要件の適正化、社会保険診療報酬支払基金の組織改革等の措置を講ずる。

改定の概要
1.オンライン資格確認の導入【健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律(高確法)、船員保険法】
・オンライン資格確認の導入に際し、資格確認の方法を法定化するとともに、個人単位化する被保険者番号について、個人情報保護の観点から、健康保険事業の遂行等の目的以外で告知を求めることを禁止(告知要求制限)する。

2.オンライン資格確認や電子カルテ等の普及のための医療情報化支援基金の創設【地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律】

3.NDB、介護DB等の連結解析等【高確法、介護保険法、健康保険法】
・医療保険レセプト情報等のデータベース(NDB)と介護保険レセプト情報等のデータベース(介護DB)について、各DBの連結解析を可能とするとともに、公益目的での利用促進のため、研究機関等への提供に関する規定の整備(審議会による事前審査、情報管理義務、国による検査等)を行う。(DPCデータベースについても同様の規定を整備。)

4.高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施等【高確法、国民健康保険法、介護保険法】
・75歳以上高齢者に対する保健事業を市町村が介護保険の地域支援事業等と一体的に実施することができるよう、国、広域連合、市町村の役割等について定めるとともに、市町村等において、各高齢者の医療・健診・介護情報等を一括して把握できるよう規定の整備等を行う。

.被扶養者等の要件の見直し、国民健康保険の資格管理の適正化【健康保険法、船員保険法、国民年金法、国民健康保険法】
 ⑴被用者保険の被扶養者等の要件について、一定の例外を設けつつ、原則として、国内に居住していること等を追加する。
 ⑵市町村による関係者への報告徴収権について、新たに被保険者の資格取得に関する事項等を追加する。

6.審査支払機関の機能の強化【社会保険診療報酬支払基金法、国民健康保険法】
 ⑴社会保険診療報酬支払基金(支払基金)について、本部の調整機能を強化するため、支部長の権限を本部に集約する。
 ⑵医療保険情報に係るデータ分析等に関する業務を追加する(支払基金・国保連共通)。
 ⑶医療の質の向上に向け公正かつ中立な審査を実施する等、審査支払機関の審査の基本理念を創設する(支払基金・国保連共通)。

7.その他
・未適用事業所が遡及して社会保険に加入する等の場合に発生し得る国民健康保険と健康保険の間における保険料の二重払いを解消するため、所要の規定を整備する。【国民健康保険法】


施行期日
平成32年4月1日(ただし、1については公布日から2年を超えない範囲内で政令で定める日、2は平成31年10月1日、3並びに6⑵及び⑶は平成32年10月1日(一部の規定は平成34年4月1日)、5⑵及び7は公布日、6⑴は平成33年4月1日)
 2019/03/22

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