飲んではいけない薬 の根拠は? ~① プラビックス~

週刊誌でとりあえげられている「飲んでいない薬」は本当に飲まないほうが良い? 

数年前に週刊誌で特集が組まれ、外来患者さんで相談される人がおりましたが、ここ最近また週刊誌に乗ったようで、心配されている患者さんに出会った。

ネットで調べると、医師をはじめとした医療関係者から聞いたといった文言で記載されいているので、一般の方が見たらこれは心配になってしまうなぁと思いながら、外来患者さんにはガイドライン等をもとにエビデンスを示し、納得してもらっている。

こんなしょうもない記事のせいでコンプライアンス不良になるのは悲しいものなので、しょうもない記事の内容をエビデンスをもとに否定していこうかと思います。


売上上位でも飲まないほうがいい薬1位:プラビックス

外来で相談されたのもこの内容でした。

ジェネリックも発売しているので本当に飲まないほうがいいというならせめて一般名(クロピトグレル)も記載しろ・・・と思いながら、脳梗塞の推奨Aを獲得しているプラビックスを飲まないほうが良いとは・・・飲むのやめて再発した時の責任取ってくださいね・・・

ということで、飲んだほうがいいエビデンスを記載。

脳卒中治療ガイドライン2015(追補2017)

2. 現段階で非心原性脳梗塞の再発予防上、最も有効な抗血小板療法(本邦で使用可能なもの)はシロスタゾール200mg/日、クロピドグレル75mg/日、アスピリン75~150mg/日(以上、グレードA)、チクロピジン200mg/日(グレードB)である
「クロピトグレル」が「プラビックス」と同じ成分のお薬です。

「グレードA」とは、服用することを強く勧められているものです。

「非心原性」というのは、心臓の病気(心房細動等)が原因ではない脳梗塞のことです。


脳梗塞になったことがある人は再発予防のために血液をサラサラにする薬剤が必要になります。

その1つがクロピトグレルであり、最も推奨される薬剤の1つとなっています。



服用すべき根拠
・脳梗塞については、チエノピリジン(クロピトグレル、チクロピジン)はアスピリンに比し、15%減少させ、これは統計的に有意であった。(メタアナリシス)
・アスピリンは脳梗塞再発を22%減少させた。(メタアナリシス)
※メタアナリシス:分析方法の1つ。たくさんの信頼できる臨床試験を集めてきて、試験結果を判断する方法。最も信頼できる解析方法の1つ。

他にも根拠となる臨床試験が多数ありますが、多いため割愛。

脳梗塞の再発率は脳梗塞の種類や基礎疾患によって異なりますが、1年以内の再発率は5-8%との記載がある。

クロピトグレルはアスピリン(バイアスピリン)と同等以上となっている試験結果が多く、服用しない場合と比べると再発リスクを20%程度低下させることができる。

安全性に関しても出血リスクはアスピリンより低いとされている。

もちろん無視できない副作用(出血、肝機能障害、無顆粒球症)も存在するが、これらの副作用発現より再発予防効果の利益が上回るとされている。

副作用は早期発見によって対応できることも多いため初期症状をしっかり把握しておき、気になることがある場合はすぐに相談してください。


循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン

クラスⅠ
不安定狭心症
アスピリンの使用が困難な場合のチクロピジンあるいはクロピドグレルの投与
ステント治療時のアスピリンとクロピドグレル(あるいはチクロピジン)の併用

カテーテルインターベンション
ステント留置例に対するチクロピジンもしくはクロピドグレルの,アスピリンとの併用投与.


こちらのガイドラインにおける「クラスⅠ」とは「 有益/有効であるという根拠があり,適応であることが一般に同意されている」ものです。

心臓の血管(冠動脈)が細くなっていたり、細いところに「ステント」という管を入れたりした人は、クロピトグレルを服用することで血栓ができるのを防いでいます。

ステント留置後はアスピリンとクロピドグレルの2剤を併用し、1年程度でクロピトグレルを中止することが一般的ですが、2剤併用の期間に関しては十分なエビデンスがないため、個々の状況によって変わってくる場合があります。

少なくとも最初からクロピトグレルを飲まないという選択肢は通常ありません。


※ガイドラインは週刊誌の偏った1人の意見によらず、多くの委員の合意を経て作成されています。


まとめ

プラビックス(クロピトグレル)は脳梗塞の再発予防において最も推奨される治療の1つ。

ステント留置後もステントによる血栓予防のために必須の薬である。(クロピトグレルの同効薬であるエフィエントも最近は代わりに使用される。)

医師の指示通り服用を継続し、気になる症状がある場合は自己判断で中止せず、医師・薬剤師に相談を。



 2020/02/13

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