DAPTを1年以上継続すべき患者は?

PCI後のDAPTを長期継続している患者さんの背景は?

PCI後のDAPT期間は、一般的にDESで6-12か月が推奨されている。※1,2

ただし、ステント血栓ハイリスク群では12か月以上投与されていることがある。

どんな人がハイリスク群として扱われているのか、ガイドラインに指標が記載されているので簡単にまとめ。


DAPTを長期(12か月以上)投与の基準

血栓リスクに関するスコアリングがいくつか開発されているそうです。※3

その中で代表的なものにDAPTスコア※4とPRESICE-DAPTスコア※5というものがあり、ACSガイドラインに記載がある。

DAPTスコア

年齢:75歳≦:-2点、65~74歳:-1点、64歳≧:0点
糖尿病:1点
過去2年の喫煙歴:1点
心筋梗塞orPCIの既往:1点
心筋梗塞:1点
ステント径<3mm:1点
パクリタキセル溶出ステント:1点
静脈グラフトに対するPCI:2点
心不全orLVEF<30:2点

上記スコア2点以上:12か月以上のDAPTの有益性あり(血栓予防>出血)
上記スコア2点未満:12か月以上のDAPTの有益性なし(血栓予防<出血)




PRESICE-DAPTスコア

年齢,出血 の既往,白血球数,ヘモグロビン値,クレアチニンクリアランスから点数化。
モノグラムを用いて点数化するためやや使用しにくいが、webに自動計算サイト(ウェブカリキュレーター)がある

長期DAPT(12-24ヵ月)群では短期DAPT(3-6ヵ月)群にくらべ,出血高リスク例で出血リスクが有意に上昇(絶対リスク差+2.59%[95%信頼区間+0.82-+4.34;NNT 38])しているが、低リスク例ではリスク上昇はみられず,有意な虚血性イベントに対する有効性がみられた。


現実的には薬局ではDAPTスコアなら使えそうでしょうか。
DAPTで1年経過している患者さんの減薬を提案する前に、スコアを見てからにしましょう。

※どちらも日本人での検証はされていないのでそのまま適応できるかは議論の余地あり。

まとめ

出血リスクが低く、血栓リスクが高い患者には長期DAPT(12~30カ月)が行われることがある。

長期DAPTを行う基準としてDAPTスコア、PRESICE-DAPTスコアがある。



※1 循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン
※2 急性冠症候群ガイドライン
※3 冠疾患誌 2019; 1: 34-37
※4 JAMA. 2016 Apr 26;315(16):1735-49.
※5 Lancet. 2017 Mar 11;389(10073):1025-1034 
 2020/02/22

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