溶連菌に対してペニシリン系でなくセフェム系を使う理由
溶連菌は咽頭炎のほか蜂窩織炎や上気道炎などを起こす場合もある。
急性咽頭炎の場合、第1選択薬はペニシリン系(アモキシシン)を10-14日服用。
菌が残ってしまうとリウマチ熱や糸球体腎炎を起こす場合があるため通常より長い服用期間となっている。
第3セフェム系の5日間投与はアモキシシリン10日より除菌効果に優れているとの報告もあるが、否定的な意見もある。
菌が残ってしまうとリウマチ熱や糸球体腎炎を起こす場合があるため通常より長い服用期間となっている。
第3セフェム系の5日間投与はアモキシシリン10日より除菌効果に優れているとの報告もあるが、否定的な意見もある。
溶連菌はペニシリンに感受性大なためほとんどの場合でペニシリンが処方されるが、以下の理由によりセフェム系やマクロライド系が処方される場合がある。
ペニシリン以外を処方する理由
・ペニシリンアレルギー
・ペニシリン系投与で改善がみられなかった場合
・小児でサワシリンの1回服用量が多くて飲めない場合
これらの場合セフェム系orマクロライド系。
セフェム系投与について
溶連菌はグラム陽性菌なので第1世代セフェム系のケフラール、ラリキシンなどで10日間。又は第3世代(セフゾン、フロモックス、メイアクト)を5日間。
第3セフェム系の5日間投与はペニシリンより優れているとのことの報告もあるが不明。
合併症(リウマチ熱・腎炎)をペニシリン10日と同等に予防できるかも明確なエビデンスなし。
合併症(リウマチ熱・腎炎)をペニシリン10日と同等に予防できるかも明確なエビデンスなし。
また、セフェム系はペニシリン系との交差反応もあるためペニシリンアレルギーの場合はセフェム系も注意。
マクロライド系投与について
マクロライド系の場合、クラリスロマイシンorエリスロマイシン10日間、アジスロマイシンなら3日間。
エリスロマイシンは消化器系の副作用が多いためあまり見ない。
溶連菌はマクロライド耐性菌が存在するため注意。
ペニシリン低感受性・抵抗性
ペニシリン系内服でも症状が良くならない場合、セフェム系orオーグメンチン(アモキシシリン+クラブラン酸)とのことだが、2015年時点でA群連鎖球菌でペニシリン系に低感受性・耐性を示す株は見つかっていない模様。(国立感染症研究所)
その他
アモキシシリンは1日20-40㎎/kg(MAX90㎎/kg)、分3~4。
体重15㎏、40㎎/kg、分3でくると10%散で1回2gとかなり量が多くなる。
粉薬が嫌いな子は10日間飲み干すのは難しい場合があり、セフェム系で処方してくる先生がいる。
ワイドシリンは20%散もあるため服用量を半分にできる。
参考:小児呼吸器疾患診断ガイドライン2014