咳止めの強さ 種類と違い

鎮咳薬の違い 鎮咳作用以外の効果や副作用の比較

H31.3.16更新
ひどい咳にはリン酸コデイン、ちょっとひどいときはメジコン、普通のときはアストミン、痰があるときはアスベリン、たまにみるフラベリック、レスプレン。

上記は個人的な印象
この辺どのような違いがあるのか調べてみました。

鎮咳薬の種類

麻薬性中枢性鎮咳薬

コデインリン酸(コデインリン酸)

非麻薬性中枢性鎮咳薬

アスベリン(チペピジンヒベンズ酸)
メジコン(デキストロメトルファン)
アストミン(ジメモルファンリン酸)
レスプレン(エプラジノン)
フラベリック(ベンプロペリン酸)
フスタゾール(クロベラスチン)

配合剤

フスコデ
(ジヒドロコデインリン酸、メチルエフェドリン、クロルフェニラミン)
カフコデN
(ジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸、メチルエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン、ブロムワレリル尿素)
セキコデ
(ジヒドロコデインリン酸、エフェドリン、アンモニウム)


中枢性鎮咳薬は延髄の咳中枢に直接作用し鎮咳作用を示す。

非中枢性には去痰薬、気管支拡張剤などが分類されるが、純粋に鎮咳薬と言った場合通常中枢性を指す。

今回は配合剤以外についてまとめます。

各薬剤の特徴

コデインリン酸

鎮咳作用は最も強力
・呼吸抑制の報告があり小児には禁忌予定(2018年10月現在は12歳未満に投与しないことの注意書き)。その他禁忌多数。
・高頻度で便秘がみられる。(下痢に対する適応もある)
・作用発現持続時間は4~6時間。

(コデインリン酸塩酸1%「第一三共」インタビューフォーム)

アスベリン

・イヌに16mg/kg投与でリンコデと同等。
気道粘膜の線毛運動亢進により去痰作用を示す。(アスベリン100㎎=ビソルボン50㎎並み)
・副作用はほとんどない。
・作用発現は30分~1時間後、5~6時間持続する。

(アスベリンインタビューフォーム)

メジコン

・二重盲検比較試験で鎮咳作用はリンコデと同等とされた。
・シロップには気道分泌促進作用を持ち粘稠な痰を液化するクレゾールスルホン酸が含まれる。
・作用発現は記載なし(Tmax≒1.5-2.0h)

(メジコンインタビューフォーム)


アストミン

・モルモットにおいて鎮咳作用はリンコデ、メジコンと同等以上
・二重盲検比較試験においてもアストミン20㎎>メジコン30㎎との結果。
・耐糖能低下作用があり、糖尿病には慎重投与
・作用発現は記載なし(Tmax≒1.0-2.0h)

(アストミンインタビューフォーム)


レスプレン

・動物において鎮咳作用はリンコデと同等。
ムコ多糖分解、気道分泌促進作用により強力な去痰作用を示す。
・作用発現は30分~1時間後。
・持続時間は2-6時間(24時間症状がない例も半数あり)

(レスプレンインタビューフォーム)


フラベリック

・二重盲検比較試験において鎮咳作用はメジコンと同等以上。
・動物において鎮咳作用はリンコデと同等以上。
気管支弛緩作用を持つ。
・主薬にしびれ感があるため噛み砕かないように。
・口内乾燥の副作用が多い(3.14%)
・作用発現・Tmax記載なし

(フラベリックインタビューフォーム)


フスタゾール

・モルモットにおいて鎮咳作用はリンコデと同等以上。
・イヌにおいては鎮咳作用はリンコデよりやや弱い。
・臨床的にはリンコデ並みとの報告もある。
気管支弛緩作用弱い抗ヒスタミン作用を持つ。
・作用発現は20~30分後、3~4時間持続。

(フスタゾールインタビューフォーム)


発現時間は差があるので使い分けができそうです。
副作用に関してはリンコデ以外はどれも1%前後で食欲不振等がある程度。

アストミンはブドウ糖負荷試験で高値がみられたため糖尿病及び既往歴には慎重投与となったそうです。


一覧表



鎮咳作用の比較

インタビューフォームでは基本どれもリンコデと同等という記載が多い。

普段のイメージだとリンコデのほうが全然強い印象を受けますが…フスタゾールに関しては動物によって結果が逆転しているのでどれもあまり参考にならないのかもしれません。

アスベリンに関しては16㎎/kgで同等なので、通常量だとリンコデに劣ると思われる。

まとめると、

コデインリン酸≧メジコン、レスプレン、アストミン、フラベリック≧フスタゾール>アスベリン

くらいな感じでしょうか。

鎮咳以外の効果を持つ薬剤

去痰作用

アスベリン:線毛運動促進
レスプレン:ムコ多糖分解、気道粘液分泌
メジコン(シロップ):気道粘液分泌

気管支収縮抑制

フラベリック
フスタゾール

抗ヒスタミン

フスタゾール


小児適応・剤形の比較

上記鎮咳薬の中には散剤、シロップ剤があるものは以下の通り。

散剤のある薬剤(味)

アスベリン(散10%、ドライシロップ2%):甘い
メジコン(散10%):苦い
アストミン(散10%):苦い
フスタゾール(散10%):甘い

メジコン散なんて単剤では飲めたもんじゃありません…

シロップのある薬剤(味)

アスベリン(シロップ5%):甘い柑橘系
メジコン(配合シロップ 2.5㎎/ml):甘い&苦いチェリー系
アストミン(シロップ0.25%):甘いイチゴ系
※フスタゾールシロップは2014年に販売中止。

小児適応

リンコデは小児に禁忌。
メジコン、フラベリックは小児適応なし。
その他は小児適応あり。(レスプレンは錠剤しかないが適応あり)



咳の原因による治療

上記の薬剤はとりあえず咳を止めるための対症療法(非特定的な治療)。

咳の原因は感染症以外に様々あり、原因がわかっている場合はそれにあった治療を行う。
喘息(気管支喘息、咳喘息)であれば、ステロイド、β刺激薬による治療、鼻漏があればカルボシステイン等、消化器系であればPPIやH2ブロッカーなどの投与となる。

また、湿性咳嗽は主に痰や気道分泌物により発生するため、カルボシステイン、アンブロキソールなどの去痰薬が有効。



まとめ

鎮咳作用の強さ(インタビューフォーム及び臨床経験)
コデインリン酸≧メジコン、レスプレン、アストミン、フラベリック≧フスタゾール>アスベリン


作用発現までの時間、鎮咳作用以外の効果で使い分けできる。

原因がわかっている場合は原因に沿った治療薬を選択。

 2017/08/15

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