同じMediumランクに分類されているロコイドとキンダベート 違いはある?
ある小児科の処方を見ていると、ロコイド軟膏とキンダベート軟膏が微妙に使い分けされてくる。
顔に使用する場合はロコイド、首周辺にはキンダベートで処方が来る小児かもあれば、ロコイドは体、キンダベートが顔に来るパターンもある。
この使い分けにはなんかしらの意図があるのでしょうか。
ステロイドのランク
しかし、キンダベートの臨床的安全性については、全身に及ぼす影響(副腎皮質系機能の抑制)及び局所的副作用(皮膚萎縮、潮紅など)は、weakの評価を受けている。※1
また、尋常性乾癬の成人患者にキンダベート及びロコイドを1日10g又は30gを5日間夜間密封法で塗布し、血漿コルチゾール値への影響を検討した結果、その低下の程度は10g投与群では両者間に差は認められなかったが、30g投与群ではキンダベートはロコイドに比し、有意に低かったとされている。※1,3
ただし、湿疹患者を対象とした比較試験では、副作用発現率に差はなかった※1との報告もあるため、通常使用において大きな差が出ることはないと思われる。
ただし、通常使用で気にするレベルではない
※1キンダベートインタビューフォーム
※2石原勝:西日本皮膚科.1981;43:66.
※3Clobetasone 17-butyrate 外用剤の全身影響研究班:日皮会誌.1980;90(6):491.
局所・全身副作用の比較
キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)を健康成人の前腕屈側部に7週間連続塗布した場合、皮膚萎縮、皮膚潮紅、毛細血管拡張等の皮膚局所に及ぼす影響はロコイド( 0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル)より低かったとのデータがある。※1,2また、尋常性乾癬の成人患者にキンダベート及びロコイドを1日10g又は30gを5日間夜間密封法で塗布し、血漿コルチゾール値への影響を検討した結果、その低下の程度は10g投与群では両者間に差は認められなかったが、30g投与群ではキンダベートはロコイドに比し、有意に低かったとされている。※1,3
ただし、湿疹患者を対象とした比較試験では、副作用発現率に差はなかった※1との報告もあるため、通常使用において大きな差が出ることはないと思われる。
抗炎症作用
湿疹患者173名を対象にした二重盲検比較試験において、ロコイドとキンダベートで有効性に差なし。※1
これらの結果より、キンダベートはロコイドと有効性は同等でありながら、全身性・局所性副作用はロコイドより少ないとまとめられている。
キンダベートのほうが局所副作用弱いならこちらが顔に処方されそうですが、私がよく見る処方はロコイドが顔。
先ほど述べたように、通常使用では問題となるレベルではなく、特に気にしていないのでしょう。
まとめ
抗炎症作用 ロコイド=キンダベート
全身副作用(副腎皮質機能への影響) ロコイド≧キンダベート
(キンダベートはweak並み)
局所副作用(皮膚萎縮等) ロコイド≧キンダベート
(キンダベートはweak並み)
ただし、通常使用で気にするレベルではない
※1キンダベートインタビューフォーム
※2石原勝:西日本皮膚科.1981;43:66.
※3Clobetasone 17-butyrate 外用剤の全身影響研究班:日皮会誌.1980;90(6):491.