ロコアテープは内服並み? 適応は関節炎だけど腰に使っても良い?
見た目的に温感タイプかと思っていたんですが、温感ではありませんでした。
フルルビプロフェン(アドフィードパップとか)の活性体であるS体のみを凝縮させたもので、とんでもなく吸収率が良い。
その他いろいろ特徴的なことがあったのでまとめてみました。
基本情報
適応
ロコアテープ
変形性関節炎における鎮痛・消炎 これだけ!!
適応はこの1つだけ。
なので先生は病名気を付けないと返戻されちゃいますね。
関節炎っていうと膝とか肘だけのイメージですが、関節があるところならどこでも大丈夫なので、貼付部位が腰とかでもOKとのこと(メーカー→支払基金確認)
まぁ全身どっかしら関節はあるよねってことです。
ただ病名は腰痛じゃなくて、関節炎で(薬局は関係ないけど…)
ロキソニンテープ
変形性膝関節症+筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛にも適応あり。
モーラステープ
さらに多く、変形性関節症+腰痛症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛、関節リウマチにも適応あり。
ロキソニンテープ
変形性膝関節症+筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛にも適応あり。
モーラステープ
さらに多く、変形性関節症+腰痛症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛、関節リウマチにも適応あり。
用法・用量
ロコアテープ
1日1回、患部に塗布。
同時に2枚を超えて貼付しないこと。
今までの湿布薬には無かった2枚縛り。
添付文書にも書いてありますが、2枚貼るだけで経口投与と同じ血中濃度になるんだそうで。恐るべし吸収率。
たしかモーラステープとかロキソニンテープは20枚以上は貼らないと内服と同等にならない感じでしたかね。(現実的な数字でないのでもはやどうでも…あとで推測してます)
ロキソニンテープ
1日1回としか記載なし。
モーラステープ
基本的注意に必要最小限の枚数にとどめることとの記載はあるが具体的な枚数は記載なし。
ロキソニンテープ
1日1回としか記載なし。
モーラステープ
基本的注意に必要最小限の枚数にとどめることとの記載はあるが具体的な枚数は記載なし。
特徴
吸収率
ラットでの経皮吸収率
ロコアテープ:92.9%
モーラステープ:67.8%
ロキソニンテープ:32.4%
ヒトでの経皮吸収率
ロコアテープ:44.46%
アドフィートパップ:5.82%
※モーラステープ、ロキソニンテープはデータなし
(血中濃度を考えるとロコアより圧倒的に低い)
以下インタビューフォームより
吸収率いいから良いのかというとそういうもんでもないと思いますが…
まして内服並みとなると内服と併用どうなの?って話ですね。
基本は内服との併用は避けてほしいと…ですが併用しているケースも多々あるとのこと。(でも血中濃度内服並みなら2枚貼ったときは飲まなくてんじゃないかしら)
保険的にはロキソニン、モーラスと同様切られたり切られなかったり だそうです。
定常状態時の血中濃度
ロキソニンテープ100mg×2枚で23ng//mL(活性代謝物)
モーラステープ20㎎1枚で120ng/mL
内服時(ケトプロフェンは内服ないため坐剤)
ロキソニン錠60㎎:Cmax0.85μg/mL(活性代謝物)
ケトプロフェン坐剤50㎎:Cmax3.5μg/mL
単純に用量依存的に増加すると仮定すると、
ロキソニン錠60㎎≒ロキソニンテープ100㎎70枚
ケトプロフェン坐剤50㎎≒モーラステープ20㎎30枚
ありえない数字ですね。
貼付枚数と血中濃度推測
比較する際に、AUCを比較するべきか、Cmaxを比較するべきか。
AUCは体に入ってきた総量。
血中濃度が上昇せずひたすらだらだら吸収されてもAUCは高くなる。ただ、有効血中濃度でなければ効果はないのかと。
あまり意味ないかもしれませんが、今回は貼付薬を貼っているときの血中濃度(定常状態)と内服時のCmaxを比較。
ロキソニンテープ100mg×2枚で23ng//mL(活性代謝物)
モーラステープ20㎎1枚で120ng/mL
内服時(ケトプロフェンは内服ないため坐剤)
ロキソニン錠60㎎:Cmax0.85μg/mL(活性代謝物)
ケトプロフェン坐剤50㎎:Cmax3.5μg/mL
単純に用量依存的に増加すると仮定すると、
ロキソニン錠60㎎≒ロキソニンテープ100㎎70枚
ケトプロフェン坐剤50㎎≒モーラステープ20㎎30枚
ありえない数字ですね。
ハッカ油を含有
ロコアテープは有効成分としてハッカ油を36.2㎎も含んでいる。
このため、かなりの清涼感があります。
貼った感じ、清涼感通り越して温感タイプかってくらいでした。
モーラステープやロキソニンテープは添加物としてメントールを含む程度であまり清涼感はない。(気がします。)
粘着力
ロコアテープは粘着力がとんでもなく強力です。
水には弱いので、入浴時に剥がすことが良いとのことでした。
試しにそのまま剥がしましたが、皮膚超痛いです。
皮のびます。
ちゃんと説明しないと患者さんかわいそうですね。
吸収率を生かした特殊な使い方
これは正規な使い方ではないですが、2枚貼ると内服並みであることを利用して、術後とか内服できないときに適当なところに2枚貼って内服代わりみたいなことをするDrもいるとか。
ノルスパン的な感じですね。
まとめ
吸収率
ロコア>モーラス>ロキソニン
清涼感、粘着力
ロコア>モーラス、ロキソニン
適応
ロコア:変形性膝関節症のみ
ロキソニン:変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛
モーラス:多量(リウマチもOK)
枚数制限
ロコアテープ:2枚まで
モーラス、ロキソニン:基本は制限なし(現実的な枚数であれば経口に並ぶことはない)
モーラス、ロキソニン:基本は制限なし(現実的な枚数であれば経口に並ぶことはない)