肝性脳症に適応を持ったリフキシマ カナマイシンとの違いは?
発売したのが2016年11月なので、それまでは適応がないもののカナマイシンが使われていた。
リファキシミンは肝硬変診療ガイドラインでもエビデンスレベルAとされているが、カナマイシンと比較して何か優れている点はあるのでしょうか。
肝性脳症の原因
肝性脳症は肝硬変により、門脈に迂回ルートができてしまうことでアンモニアが代謝されず、血中を巡るために起こってしまう。
アンモニアは腸内細菌にて産生されるが、原因菌については特定されていない。
ただ、腸内細菌群では
Clostridium 属菌、Bacillus 属菌、Streptococcus 属菌、Bacteroides 属菌、Escherichia coli(E.coli)、Proteus mirabilis(P.mirabilis)等がアンモニア産生菌として報告されている。(リフキシマインタビューフォーム)
リフキシマ(リファキシミン)の作用機序
リフキシマは腸管でほとんど吸収されず、上記腸内細菌に対して抗菌作用を示し、アンモニアの産生を抑える。
リファンピシン同様RNAポリメラーゼ阻害により抗菌作用を示す。
リフキシマの有効性
ガイドラインより抜粋。
6ヵ月投与後の肝性脳症再発率リスクはプラセボと比較して0.42(信頼区間:0.28-0.64)。
システマティックレビューにおいて二糖類との同等性が証明された。(優位性は明らかでない)
カナマイシンとの比較
吸収量
腸管で抗菌作用を示せばいいので、吸収される必要はなく、カナマイシンは吸収されると難聴等の副作用が出る可能性があるため、吸収率は低いほうが良い。
リフキシマ、カナマイシン共にほとんど吸収されないとの記載があるが、完全に吸収されないわけではなく、カナマイシンは連用により難聴の報告がある。
副作用
リフキシマ:便秘(2.5%)、下痢(1.3%) 重大なSE:偽膜性大腸炎
カナマイシン:頻度不明 難聴(1%未満)
カナマイシンは難聴が問題といわれますが、頻度は不明。
あまりまともな比較になっていませんが…
適応があり、効果も二糖類並み~それ以上といった報告が多いので、カナマイシン使うならリフキシマ使えばいいのでしょうか。