アスパラCAと乳酸カルシウムの比較

カルシウム製剤の吸収率の違い カルシウム含量について

カルシウム製剤でよく見る処方はアスパラCA。
たまに乳酸カルシウムを見る。

どちらもカルシウム製剤ですが、含量や吸収率にどのような違いがあるのでしょうか。

基本情報

アスパラCA

適応
・低カルシウム血症に起因する下記症候の改善:テタニー、テタニー関連症状
・下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給:骨粗鬆症、骨軟化症
・発育期におけるカルシウム補給
・妊娠・授乳時におけるカルシウム補給

用法・用量
アスパラギン酸カルシウムとして、
通常成人1日1.2g(6 錠)を2~3回に分割経口投与する。


乳酸カルシウム

適応
・低カルシウム血症に起因する下記症候の改善:テタニー
・下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給:妊婦/産婦の骨軟化症
・発育期におけるカルシウム補給

用法・用量
乳酸カルシウム水和物として、
通常成人1回1gを1日2~5回経口投与する。


適応をまじめに考えると、骨粗鬆症にはアスパラCAとなる。



カルシウム含有量

アスパラCA200㎎1錠中:Caとして22.3㎎
乳酸カルシウム1g中:Caとして129.7㎎


アスパラCA200㎎1錠はアスパラギン酸カルシウムとして200㎎。
分子量が358.32なので、Ca(分子量40)は、40/358.32×200㎎=22.3㎎。
Ca2+としては22.3㎎。

乳酸カルシウム1gは乳酸カルシウム水和物として1g。
分子量が308.29なので、Caは40/308.29×1000㎎=129.7㎎。



用量で比較すると、
アスパラCA:134㎎/6錠
乳酸カルシウム:260~650㎎/2~5g

牛乳200mlでカルシウム200㎎と考えると大した量でないと思ってしまいますが・・・牛乳毎日飲むのもなかなか難しいものでしょうか。

ここでは単純にカルシウムの量を比較しましたが、これらの2剤はカリウム製剤のように吸収が異なるのでしょうか。


アスパラギン酸カルシウムと乳酸カルシウムの吸収率(利用率)

カルシウムは小腸で吸収される。
通常は能動輸送であるが、それ以外にビタミンDにより促進される受動輸送がある。※1
また、リンやその他の成分により吸収率は変わるとされている。※2
(牛乳中のCa吸収率は40%、小魚は33%、野菜は19%とのこと。)

上皮小体摘出ラットを用いた実験で,L-アスパラギン酸カルシウム水和物は塩化カルシウム水和物,リン酸カルシウム,炭酸カルシウムに比較し,生体内利用率の高いことが認められているそう。※3

厚労省の情報サイトによると、カルシウムの吸収は摂取量でも変わってくるとのこと。
一度の摂取量が多いと吸収率が下がる。(500㎎以下で最も高くなる)
また、乳幼児では60%近く吸収されるが、成人移行は15~20%となり、そのまま減少していく。※4

ある文献によると、健康人8人に500mgのカルシウムを一度に与えた吸収率(%)について、牛乳31±3、酢酸カルシウム32±4、乳酸カルシウム32±4、グルコン酸カルシウム27±3、クエン酸カルシウム30±3、炭酸カルシウム39±3という結果を得、牛乳および各種塩類で有意差がみられなかったという※5


※3、※5から考えるとアスパラCAのほうが吸収率がいいのかもしれないが、記載したように、同時に摂取した食品や投与量など様々な要因により吸収率が変化するため一概には言えない。



カルシウムの摂取目安

厚労省の定める食事摂取基準(2015)では成人のカルシウムの推奨量は700~800㎎/日。
耐容上限は2500㎎/日となっている。



まとめ

カルシウム含量(1日投与量)
アスパラCA:134㎎/6錠
乳酸カルシウム:260~650㎎/2~5g

吸収率は条件によって異なるため一概には言えないが、アスパラCAのほうが良い可能性。


※1 京府医大誌 124(4),251~263,2015.上部消化管における栄養素感知と輸送機構
※2 一般社団法人 Jmilk
※3 アスパラCAインタビューフォーム
※4厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト 
※5N Engl J Med. 1987 Aug 27;317(9):532-6.
 2019/04/28

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