金属イオンと相互作用のある薬剤一覧

Al,Mg,Fe,Caなどの金属イオンにより吸収率が低下する薬剤

ニューキノロン系やテトラサイクリン系と金属イオンとの相互作用は有名ですが、薬剤によってその吸収率の違いもかなりある。

以下は添付文書上に吸収率低下について記載のある主な薬剤。


金属イオンと吸収低下率


金属カチオンと影響のある薬剤 低下率% (上:AUC  下:Cmax) 対応 備考
薬剤名 成分名 Al Mg Fe Ca - -
アルドメット メチルドパ なし なし なし 記載なし IF
アレグラ フェキソフェナジン Al,Mg含有制酸剤で40%    なし なし 記載なし IF
イトリゾール イトラコナゾール 66%、70% なし なし なし 記載なし IF
イスコチン イソニアジド なし なし なし 1時間あける IF
ウルソ ウルソデオキシコール酸 なし なし なし 記載なし IF
オゼックス トスフロキサシン 37%、41% 54%、29% 16%、31% 42%、47% 記載なし(4時間) 文献
ガバペン ガバペンチン Al,Mg含有制酸剤で20%、17% なし なし 2時間で10%程度 IF
グレースビット シタフロキサシン 75%、82% 51%、57% 56%、67% 33%、37% 2時間あける IF
クラビット レボフロキサシン 44%、65% 22%、38% 19%、45% 3%、23% 1~2時間あける IFから計算
クレストール ロスバスタチン Al,Mg含有制酸剤で54%、50% なし なし 2時間あける IF
コムタン エンタカポン なし なし なし 2~3時間あける IF
ジェニナック ガレノキサシン Al,Mg含有制酸剤で58% 2時間あける IF Znともあり
ジスロマック錠 アジスロマイシン Al,Mg含有制酸剤でCmax24% なし なし 2時間あける IF AUCは不変
シプロキサン シプロフロキサシン 88%? 36~47% 2時間あける 牛乳、ヨーグルトのデータ
スタレボ レボドパ・カルビ・エンタカ なし なし なし 2~3時間あける IF(コムタンIF参照との記載)
セフジニル セフジニル Al,Mg含有制酸剤で40% 吸収10% なし Fe3時間 Ma,Al2時間 IF
セレコックス セレコキシブ Al,Mg含有制酸剤でCmax40% なし なし 記載なし IF AUCは不変
チラーヂン レボチロキシン 低下なし 記載なし 20-30%低下?
ドプス ドロキシドパ なし なし なし 記載なし IF
ネオドパストン レボドパ・カルビドパ なし なし 30%、75% なし 記載なし 文献1文献2
ビブラマイシン ドキサイクリン 記載なし IF ミルクは問題なし
バナン セフポドキシム Al,Mg含有制酸剤でAUC40% なし なし 記載なし 文献1 Cmaxも低下
マドパー レボドパ・ベンセラシド なし なし なし 記載なし IF
ミノマイシン ミノサイクリン 77%、↓ 2~4時間あける IF

見にくい方は以下の写真版を。

「なし」はインタビューフォーム上に記載なし。
数値は変化後の吸収率ではなく低下率です。

大抵の薬剤は2時間あければよさそう。

 2017年7月21日

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