ロキソニンの1日4回服用について

ロキソニン(ロキソプロフェン)は1日何回まで? 1日4回での副作用のリスクは?

ロキソニンといえば60㎎を1日3回。

なので、頓服でも1日3回までと説明することが多いですが、用法をよく見るとそうでもない。

ロキソニンの用法用量と投与回数

1. 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛  
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛 

通常、成人にロキソプロフェンナトリウム1回60mg、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60~120mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。 


2. 手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎 

通常、成人にロキソプロフェンナトリウム1回60mg、1日3回経口投与する。頓用の場合は、1回60~120mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。 


3. 下記疾患の解熱・鎮痛  急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む) 

通常、成人にロキソプロフェンナトリウム1回60mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

上記はロキソニンの添付文書の記載。

「3」の適応に対しては1日最大180㎎(3錠)となっている。

しかし、「1」「2」に対しては頓服2錠可能、そして1回60㎎1日3回に対しても適宜増減がついている。


ロキソニン(活性体)は半減期1時間くらいなので、4,5時間後には体から抜けてしまっているので、次の飲む時間までに痛みがでる可能性が高い。

では、4回以上飲んだ場合の副作用発現頻度はどうなるのでしょうか。


服用回数が多いと副作用も多いのか?

インタビューフォーム※1に以下の記載がある。

"(3)臨床薬理試験
健康成人男子6名に対して本剤10~120mgを単回投与した。また、健康成人男子10名に対し120~240mg/日を 1日3回経口投与した。また同一10名に対し、240mg/日を1日3回 5 日間連続投与した。以上の試験の結果、 240mg/日投与開始時に一過性の軽度の尿量の減少を認めた以外、特に問題とすべき異常は認められなかった。 本剤は健康成人では1回 120mgまで、また 1日240mgまで安全に投与できるものと結論づけられた 。"


→5日間という短期間であれば、240㎎=4錠服用しても問題ないであろうという結論。でも1日3回となっている。
人数は少ないですが、このような結果はある。


回数が多いほうが効果があるのか?

こちらもインタビューフォームに記載がある。

"(4)探索的試験 
関節リウマチ29例、抜歯後䬶痛177例、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎116例に投与し、有効性、安全性の確認及び至適用量の検討を行った結果、120mg/日以上(1回 40mg以上)で他の類薬とほぼ同等の有効性を示すこと、副作用の発現は少なくかつ軽度のもので安全性は高いことが明らかとなった。

従って本剤の䬶痛、炎症に対する至適用量は他の類薬と同等以上の効果を示し、かつ副作用の発現を低く抑えるという観点から120mg/日以上、240mg/日未満が妥当、単回投与では40mg以上が必要と考えられた。 これより、関節リウマチ 、変形性関節症 、抜歯後䬶痛、急性上気道炎を対象に120mg/日投与と180mg/日投与(抜歯後䬶痛については 60mg1回投与と120mg1回投与)の比較を中心として、対照薬を含めた二重盲検試験も行った結果、至適用量は 180mg/日(抜歯後䬶痛に対しては 1 回 120mg ないし 60mg)であることが明らかとなった。"


→有効性、安全性を検証したところ、1日120mg~240㎎がもっともよい。
(厳密には240㎎未満なので4錠だとギリ超えてしまう。)



半減期のみを考えると1日3回ではたりなそうですが、滑膜内濃度は2時間で最大になっていたりするので、単純には考えられない。

血中濃度から考えたら、1日3回(1、1、2錠)より、1日4回(1、1、1、1錠)のほうが最大血中濃度は低いであろうから、短期間の1日4回であればよいかなといったところ。
1日5回とかはさすがにやりすぎですかね。

まとめ

・添付文書上、1日4錠(240㎎)は服用可能。なので、1回1錠を1日4回であればいけそう。
・人数、投与期間は短いが、1日240㎎での安全性も臨床試験で報告あり。
・安全性、有効性を考慮すると1日120~240㎎未満での投与がよいとの結果も。

鎮痛剤の強さ比較一覧はこちら

 2019年2月18日

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