ケイキサレートやアーガメイトの食事の影響

ケイキサレートやアーガメイトは食事の影響を受けない?


ケイキサレートやアーガメイト、カリメートはカリウムと交換反応し、排泄を促進する薬剤。

カルタンやホスレノールなどのリン吸着剤は、食事中のリンを吸着することで排泄を促進するので食直後や食直前の服用となっているので、ケイキサレートも食事の影響がありそうですが用法を見ると服用時点の指定はない


高カリウム血症治療薬の用法

ケイキサレート
1日2~3回に分けて経口投与

アーガメイト
1日2~3回に分けて経口投与


ということで、服用タイミングはいつでも良いことになっている。
これは作用機序を見るとわかる。

作用機序

ケイキサレート
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは吸収されず、胃腸管を通過するにしたがって腸液の陽イオンと交換するが、特に下部結腸においてカリウムイオン濃度は高く最もよく交換する。。
(ケイキサレートインタビューフォーム)

アーガメイト
経口投与により消化・吸収されることなく、腸管内ことに結腸付近で、ポリスチレンスルホン酸カルシウムのカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化をうけることなしに、そのまま糞便中に排泄される。その結果、腸管内のカリウムは体外へ除去され、血清カリウム値が低下する。
(アーガメイトインタビューフォーム)


カリウム交感は食事からのカリウムを交換するのではなく腸管(結腸)付近で行われる。

なので食事は関係ないんですね。

カリウムって大腸に分泌されているんでしょうか?
これについて調べてみました。


カリウムの排泄経路

カリウムは98%が細胞内、2%が細胞外に存在している。
健常人の場合、小腸から吸収されたカリウムは腎臓から90-95%、大腸(便)から5-10%排泄される。


透析患者や腎不全患者では腎臓から排泄できないため代償的に25%程度(10-25mEq/day)大腸内に分泌される。

しかし大腸への分泌は濃度差による受動輸送のため限界がある。

ここでカリウム吸着剤によりカリウムを吸着し、便として排泄することで大腸内のカリウム濃度が低下し、分泌を促進することができる。
(鳥居医薬品 KAYEXALATE REPORT 2013 8)

腎不全の患者さんでは大腸へのカリウム分泌が3倍以上になっているとの報告もありました。

以上より、カリウムは常に大腸にある程度存在しているため、ケイキサレートやアーガメイトは食事に関係なく服用しても効果はあると考えられます。

ただし、相互作用を見ると陽イオン製剤の記載があることから、食事中にカリウム含め陽イオンがたくさん入っていればその時点で交換が起こってしまう可能性は考えられるため、わざわざ食直前とかに飲まなくてもよいかと。

ちなみにケイキサレート散の用法には水または2%メチルセルロース100mlに溶かして腸注という用法がある。
腸管で働くので経口でなくても効果があるんですね。


まとめ

ケイキサレートやアーガメイトは大腸のカリウムと置き換わり排泄を促進するため食事の影響は受けない。(ただし食事中の陽イオンとの置き換わりは起こる可能性がある)

 2017年8月23日

関連記事