ヘパリン類似物質外用液(ローション)の一般名変更について

一般名: ヘパリン類似物質外用液が削除され、ヘパリン類似物質外用液(水性)、(乳剤性)に変更? ヒルドイドローションから変更可能な薬剤は?

 令 和 7 年 8 月 13日 に、一般名処方マスタが更新され、「ヘパリン類似物質外用液」が削除され、新たに「ヘパリン類似物質外用液(水性)」「ヘパリン類似物質外用液(乳剤性)」が新設された。

ヒルドイドローションが処方されていた際、ヘパリン類似物質外用液「日医工」に変えていたが、これからはそれができない。(というか、今までも不可という考えであった?)

どの一般名であれば何を調剤できるのか、まとめてみました。


ヘパリン類似物質外用液の製剤一覧と基剤

ヘパリン類似物質外用液を成分とする製剤以下の通り。

・先発

ヒルドイドローション・・・乳剤性 (W/O)

・後発

ヘパリン類似物質ローション「NIT」・・・乳剤性(W/O)
ヘパリン類似物質ローション「ラクール」・・・乳剤性(W/O)
ヘパリン類似物質ローション「ニットー」・・・水性(O/W)
ヘパリン類似物質ローション「YD」・・・水性(O/W)
ヘパリン類似物質ローション「日医工」・・・水性(O/W)
ヘパリン類似物質ローション「ニプロ」・・・水性(O/W)


一般名と調剤できる薬剤の関係

【般】ヘパリン類似物質外用液(乳剤性)で処方されている場合

【般】ヘパリン類似物質外用液(乳剤性)で処方が来た場合は、先発のヒルドイドローション、後発の「NIT」「ラクール」 のいずれかしか調剤できない。


【般】ヘパリン類似物質外用液(水性)で処方されている場合

水性である「ニットー」「YD」「日医工」「ニプロ」で調剤する。乳剤性の薬剤での調剤は不可。


先発のヒルドイドローションで処方されている場合

ヒルドイドローションで処方されてる場合は、ヒルドイドローションか、後発品を調剤する場合は「NIT」「ラクール」のどちらかしか調剤できない。



乳剤性の後発品がなかったころは普通に変えてませんでしたか・・・・?
念のため水性メーカーの見解も確認したところ、「同一基剤ではないためヒルドイドローションからの変更は疑義照会が必要」との回答でした。

よく考えてみれば軟膏をクリームに変えているようなもんですから、今までがおかしかったのでしょうけど、突然こうなると違和感。



ヘパリン類似物質外用液で処方が来てしまう場合の対応

一般名マスタは変更されましたが、マスタはあくまで一般的な記載例であり、その記載方法を強制するものではない。

病院によってはマスタ更新されず「ヘパリン類似物質外用液」で処方がくる。

この場合、基剤の記載はないんだからどちらでもいいんじゃないか? と思いたいのですが、「どちらか判断できない=疑義が生じている」ということになり、疑義照会が必要と解釈されるようです。(こちらもメーカー回答)

個人的には(書いていない=どちらでもいいと解釈)疑義生じていないからそのまま調剤したいところ・・・


ロキソプロフェンNaテープの温感、非温感が出たときの混乱を思い出す。



まとめ

基剤が同一のものでないと変更は不可。

【般】ヘパリン類似物質外用液(乳剤性)またはヒルドイドローションで処方がきたならヒルドイドローション、NIT、ラクール

【般】ヘパリン類似物質外用液(水性)で処方がきたなら「ニットー」「YD」「日医工」「ニプロ」
 2025年9月11日

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