医薬品の剤形はどこを見ればわかる? 類似剤形の範囲は?
そもそも剤形はどこを見ればわかるのでしょうか?
添付文書の表現はまちまち・・・
今回はこれらについて調べました。
類似剤形の範囲
本題の類似剤型への変更について、類似剤形は以下のグループとされている。(保医発0305第12号)
ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤
イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る。)
ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る。)
よって、それぞれの薬剤の剤形が正確にわかれば、変更の可否は判断がつく。
薬剤の剤型及び類似剤形の調べ方
まずは、薬価基準コードのアルファベットより剤型を確認。
例(日本ジェネリック製薬協会 医療用医薬品に関するコードについて)1149019F1013:ロキソプロフェンナトリウム
①1149 ②019 ③F ④1 ⑤0 ⑥1 3
①薬効分類番号+細目
②内用薬、注射剤、外用薬、歯科用の分別に使用
③剤形を示す記号(内用薬の場合、A-E: 散剤、F-L: 錠剤、M-P: カプセル、Q-S: 液剤、T,X: その他)
④①〜③によって分類された同一分類内での規格単位番号
⑤銘柄別に付与された番号(日局一般名や統一名収載には、01が付けられる)
⑥チェックデジット
次に、そのアルファベットがどの剤型なのかを確認。これが意外と情報がなく、探すのが大変でした。
※さらなる詳細(薬価収載品一覧より推測)
A:その他(原末、配合散)
B:散
C:細粒
D:顆粒
E:顆粒(粒子径違い?)
F:錠剤、OD錠
G:徐放錠
H:腸溶錠
J:?
K:?
L:?
M:カプセル
N:徐放カプセル
P:?
Q:シロップ
R:ドライシロップ
S:内用液
薬剤の剤形の調べ方
添付文書の剤形を見ての判断はつかない。
薬価基準収載コードのアルファベットと以下の一覧から判断。
医療情報学 39(4): 205-216 205 より抜粋 |
↓上記の表より作成(転記しただけです)
内用薬
錠剤 ABCDE
散剤 FGHJKL
液剤 MNP
その他 TX
注射薬
液剤 ABCHJKQ
散剤 DEFLMNR
キット類 GPS
その他 XYZ
外用薬
経口剤 ABCDEFG
挿入剤 HJK
眼・耳鼻用剤 LMNPQR
皮膚塗布剤 LMNPQRV
貼付剤 S
診断用 T
注射剤 U
散剤 W
その他 X
※さらなる詳細(薬価収載品一覧より推測)
A:その他(原末、配合散)
B:散
C:細粒
D:顆粒
E:顆粒(粒子径違い?)
F:錠剤、OD錠
G:徐放錠
H:腸溶錠
J:?
K:?
L:?
M:カプセル
N:徐放カプセル
P:?
Q:シロップ
R:ドライシロップ
S:内用液
最後は変更予定の剤形のアルファベットと比べて、類似剤形の範囲に入っていれば変更可能と判断できる。
分かりにくい薬剤の類似剤形変更可否
ODフィルムへの変更
錠剤・カプセル⇔フィルムへの変更は可能。
よって錠剤に分類されるため区分「ア」に該当
ODフィルムには、アムロジピン、オロパタジン、ドネペジル、ゾルピデム、ボグリボース、ロラタジンなどがありますが、すべてFとなっており分類は錠剤。
念のためメーカーに確認しましたら、「ア」のグループで問題ないとのこと。生物学的同等性試験も錠剤と比較されております。
錠剤の粉砕について
先発の錠剤粉砕⇔後発品の散剤への変更は可能。疑義解釈あり。
(H22年疑義解釈その3)
薬価基準コードをみると、
バラシクロビル粒状錠、レボフロキサシン粒状錠はFとなっており錠剤=区分「ア」の範囲で変更可能
イコサペント酸エチル粒状カプセル、エパデールはMになっておりカプセル剤=区分「ア」の範囲で変更可能
これらは添付文章で剤形を調べるとそれぞれ「軟カプセル」、「小型フィルムコーティング錠」となっており、なんとなく想像がつく。
薬価基準コードを見ると、経口ゼリーはすべてQ(液剤)に分類されている。
なので上記区分の「ウ」に分類されてしまうため、錠剤→ゼリーへの変更は不可。
後発品としてゼリー剤があるアムロジピン、ドネペジル、アーガメイトゼリーについてメーカーにも聞いてみましたが、疑義照会するように言われました。
生物学的同等性はものによって先発のゼリー錠と比較していたり、先発の錠剤と比較していたりとまちまちで、錠剤と同じなら変更してもいいと思ってしまいますが…
液剤からゼリーへは可能ということになりそうですが、そのような変更ができそうな薬剤が思いつきません。
現状バイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)はジェネリック医薬品とは区別されています。
バイオシミラーは先発品と同一の有効成分ではあるものの、効果・安全性・品質が全く同じであること証明が難しいため「類似品」扱いです。同一ではなく、同等と表現されています。
今後法が整備され、わかりやすくなることを願っています。
粒状錠・粒状カプセルへの変更
錠剤・カプセル⇔粒状錠・粒状カプセルは変更可能。薬価基準コードをみると、
バラシクロビル粒状錠、レボフロキサシン粒状錠はFとなっており錠剤=区分「ア」の範囲で変更可能
イコサペント酸エチル粒状カプセル、エパデールはMになっておりカプセル剤=区分「ア」の範囲で変更可能
これらは添付文章で剤形を調べるとそれぞれ「軟カプセル」、「小型フィルムコーティング錠」となっており、なんとなく想像がつく。
内服ゼリーへの変更
錠剤・カプセル⇔ゼリーへの変更は不可。
薬価基準コードを見ると、経口ゼリーはすべてQ(液剤)に分類されている。
なので上記区分の「ウ」に分類されてしまうため、錠剤→ゼリーへの変更は不可。
後発品としてゼリー剤があるアムロジピン、ドネペジル、アーガメイトゼリーについてメーカーにも聞いてみましたが、疑義照会するように言われました。
生物学的同等性はものによって先発のゼリー錠と比較していたり、先発の錠剤と比較していたりとまちまちで、錠剤と同じなら変更してもいいと思ってしまいますが…
液剤からゼリーへは可能ということになりそうですが、そのような変更ができそうな薬剤が思いつきません。
バイオシミラーへの変更
これは変更不可です。現状バイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)はジェネリック医薬品とは区別されています。
バイオシミラーは先発品と同一の有効成分ではあるものの、効果・安全性・品質が全く同じであること証明が難しいため「類似品」扱いです。同一ではなく、同等と表現されています。
今後法が整備され、わかりやすくなることを願っています。
まとめ
フィルム錠:錠剤に分類されるため区分「ア」の範囲で変更可能
粒状錠・カプセル:錠剤・カプセル剤に分類されるため区分「ア」の範囲で変更可能
ゼリー:液剤に分類されてしまうため区分「ウ」の範囲で変更可能→錠剤からゼリーは不可