アラキドン酸カスケードとプロスタグランジン類

プロスタグランジンの種類と作用

プロスタグランジン(PG)はプロスタン酸骨格という構造をもった物質

PGはプロスタノイド受容体に結合することで生理作用を示す。

PGは以下の流れ(よく見るアラキドン酸カスケード)で体内で作られる。(覚えて何が特はあるのでしょうかね)

アラキドン酸カスケード





PGは様々な臓器で必要なときに作られその部位で薬理作用を発揮し代謝される。
このため臓器に特異的な作用を持っておらず、1つのPGで様々な薬理作用を持ってしまっている。

つまり、薬理作用はPGの種類で決まるのではなく、作用している部位で決まってくると考えればわかりやすい。

胃でPGが作用すれば胃酸分泌抑制、胃粘膜保護。
子宮でPGが作用すれば子宮収縮。
炎症部位でPGが作用すれば痛み増強。
血管でPGが作用すれば血管拡張。
眼でPGが作用すれば眼圧降下。

といったイメージ。 でないと反する作用があったりで混乱。

薬剤にする際は、全身に作用してしまうと困るため、目標部位で作用するような誘導体にされている

以下は主なPG及びその薬理作用と薬剤(誘導体)
※ルミガンはプロスタマイドF2αの誘導体で、プロスタグランジンの類似化合物。



ここでよく見るCOX-1、COX-2について。

COX-1は体中のいたる場所に常時存在してる。
一方COX-2は炎症時炎症部位に誘導される。

炎症時COXをすべて阻害してしまうと、全ての部分でPGの産生が抑制されるため胃腸障害が起こる。

炎症部位で増えているCOX-2のみを阻害すればその他の部分は抑制されず、副作用が軽減される。



 2017年2月17日

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