降圧薬の使い分け

降圧薬の使い分け 基本はCa拮抗薬orARB,ACE阻害薬

降圧薬の種類

降圧薬といえば以下の5種類

・Ca拮抗薬
・ARB
・ACE阻害薬
・利尿剤
・β遮断薬(2014ガイドラインでは第1選択から除外)

降圧薬選択の基本

・治療開始はCa拮抗薬orARB,ACE、少量利尿剤
・効果がない場合は単剤増量でなく他剤併用
・血圧変動をなくすため長時間作用のもの
・積極的適応に該当する場合はその疾患に有効な薬剤を選択


血管イベントの抑制にはとにかく血圧を下げることが優先されるため、血圧低下作用が強力なCa拮抗薬orARB,ACEがメイン。

ACEは安いが空咳などの副作用の観点からARBよりは頻用されないが、容認性がある場合はACE阻害薬。





Ca拮抗薬


・降圧作用強力。

・強さ及び持続時間に優れているアムロジピンorニフェジピンCRが主

・降圧作用はARB,ACEより優れている。※1

・血管系の疾患(狭心症、脳血管障害)がある場合に向いている。

・アムロジピンは最も作用時間が長く、安定した降圧作用を発揮する。

・腎保護がある、浮腫の副作用が出にくいのは、ベニジピン(コニール)、アゼルニジピン(カルブロック)、シルニジピン(アテレック)、エホニジピン(ランデル)(以前の記事参照)

・降圧作用※3
ニフェジピン20㎎>アムロジピン5㎎>ベニジピン5㎎(>アゼルニジピン?>シルニジピン?)

・早朝高血圧には分2or寝る前投与。


ARB


・降圧作用はCa拮抗薬より劣る。

・臓器保護作がある(絶対的なエビデンスはなし)

・上段より心不全、CKD、糖尿病がある場合に向いている。

・ロサルタンは降圧作用が弱いため、血圧を下げたくない場合に使用。

・ロサルタンは尿酸排泄促進作用あり。

・プロプレスは慢性心不全、ロサルタンは糖尿病性腎症に適応あり。

・ミカルディスは完全肝代謝。

・降圧作用
アジルバ20㎎≧ニューロタン25mg≒ディオバン40mg≒ミカルディス20mg≒イルベタン50mg≒ブロプレス4mg≒オルメテック10mg

上記強さの比較は力価の記載がなかったため参考程度に。

※RAA系阻害による心不全悪化防止、タンパク尿減少による腎機能障害防止など



ACE阻害薬

・降圧作用はARBと同等。

・心血管イベント及び予後に関してはARBより優れているとのエビデンス多数。※2

・空咳の副作用のためARBより人気はない。

・空咳の副作用を誤嚥性肺炎防止のエビデンスあり。

・エナラプリル(レニベース)は慢性心不全に適応あり。

・イミダプリル(タナトリル)は腎性高血圧に適応あり。

・長時間作用が安定しているのはペリンドプリル(コバシル)

・就寝前服用、Ca拮抗薬併用で空咳が軽減するという報告あり。



利尿剤

・高血圧で塩分過剰の患者にはNa排泄作用のあるサイアザイド系が良い。

・サイアザイドは少量(常用量の1/2-1/4程度)から開始する。

・心不全、浮腫には降圧作用は弱くなるが、利尿作用が強力なループ利尿剤。(一般的にeGFR30以上はサイアザイド系、30未満はループ)

・低カリウム患者、アルドステロンにより亢進する腎・心線維化防止にはK保持性利尿剤。

・糖・脂質代謝に悪影響を与えるためにβ遮断薬との併用は勧められない。

・降圧作用
サイアザイド≒K保持性>ループ利尿薬

・利尿作用
ループ利尿薬>サイアザイド>K保持性


β遮断薬

・高血圧の第1選択からは除外。(第1選択薬は上記4つ)

・心疾患(心不全、心筋梗塞後)の生命予後改善によるエビデンス多数。(特にカルベジロール、ビソプロロール)

・β遮断が積極的に使われるのは頻脈、心疾患(心不全、狭心症、心筋梗塞後)、交感神経亢進(ストレス)がある場合。


※各薬剤ごとの違いは以下より。
利尿座の使い分け
ACE間の違い
ARB間の違い
Ca拮抗薬の違い


※1 循環器トライアルデータベース(VALUE試験)
※2 J Hypertens.2007;25:951-8.
※3 ノルバスクインタビューフォーム、コニールインタビューフォーム
※4 日経ドラッグインフォメーション2015 4
参考:高血圧治療薬ガイドライン2014

 2017/02/18

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