スローケー(GE:ケーサプライ)とアスパラカリウムの違い

スローケー⇔アスパラカリウムの換算・一包化について

※スローケー販売中止、経過措置は2020.3

スローケー販売中止。
後発品のケーサプライに読み替えてください。



スローケー(GE:ケーサプライ)とアスパラカリウムの基本情報

スローケー(GE:ケーサプライ)

成分:塩化カリウム(徐放錠)
用法:1日2回 1回1200㎎ 適宜増減 1日量:2400㎎
規格:600㎎錠(600㎎錠=K 8.0mEq)

アスパラカリウム


成分:L-アスパラギン酸カリウム
用法:1日3回 1回300-900㎎  1日量:900-2700mg
規格:300㎎錠,50%散(300mg=K 1.8mEq)

スローケー(GE:ケーサプライ)⇔アスパラカリウムの換算

換算時の注意

塩化カリウムとアスパラカリウムは生体内利用率が違うため単純にmEqで比較することはできない

アスパラカリウムは組織移行性・生体内利用率が高いため、スローケーより少ない投与量(mEq)となる。

以下インタビューフォームより
イヌに L-アスパラギン酸カリウムを K として 1mEq/kg/hr を 2 時間静 脈内持続投与において,3 時間後の体内保有率は約 70%であり,塩化カリウム(約 30%)より良好であった 。

このため通常1日投与量でおおよその検討をつける。

実際の換算

ケーサプライ 1日量最大量 2400㎎(4錠)
アスパラカリウム 1日最大量 2700㎎(9錠)

より

ケーサプライ4錠=アスパラカリウム9錠


ケーサプライ ➡ アスパラカリウム:スローケーの錠数×9/4
アスパラカリウム ➡ ケーサプライ:アスパラカリウムの錠数×4/9

ケーサプライ2400㎎ = アスパラカリウム2700㎎
ケーサプライ1200㎎ = アスパラカリウム1350㎎

ケーサプライは適宜増減、アスパラカリウムは最大3000㎎(10錠)までいけるため、上記計算はあくまで参考。

実際は上記を参考に、血清カリウム値を見ながら調節する。



カリウムの上昇率

実際にどの程度カリウムが症状するのか。

アスパラカリウム
データなし

ケーサプライ
カリウム3.5mEq以下の患者に対し、600㎎を1回2錠、1日2回投与したとき、10%以上カリウム値が上昇した患者は2週間で65%、4週間で82%。


一包化について

アスパラカリウム錠は吸湿性が高く、一包化により軟化・ひび割れがみられるためメーカーとしては不可

しかし、加速試験の結果を見ると、硬度は低下しても含量には影響がみられていないためひび割れが気にならんければ一包化してもよいのではないかと思う。

また、実際何度も一包化しているが、チャック付ポリにいれ、乾燥剤を入れていれば1ヵ月以上問題なかった。

スローケーは湿度75%、PTP1ヵ月で表面の軟化がみられたとのことでメーカーとしては不可だが、定量試験では問題なし

防湿せず一包化したが、1か月以上でも特に問題なかった。


その他

アスパラカリウムはアルカリ性のため、アルカローシスを伴う場合は注意が必要→この場合は塩化カリウム製剤を。

添付文書上はClを補うように注意書きがある。


 2017年3月20日

関連記事