リザーバー型とマトリックス型の違いとカットの可否
経皮吸収型製剤の種類
経皮吸収製剤は構造からリザーバー型とマトリックス型の2つに分けられる。
それぞれの構造は以下の通り。
膜制御型(リザーバー)
薬物含有層が液状、ゲル状(固体もある)であり、その下にある放出制御膜が薬物の放出を制御している。
(ex:ニトロダームTTS)
薬剤を結晶化したり、拡散性を調整することで放出を制御している。
(ex:ホクナリン、フランドル、フェントス、ネオキシ、ビソノ、イクセロン、デュロテップMT※、ノルスパン) ※MTになる前はリザーバー型であった
製品名に使われれているTTSとは、経皮治療システム(transdermal therapeutic system)の略であり、経皮吸収型製剤による薬物治療を指す。
各薬剤の規格と面積を比較してみるとよくわかる。
ホクナリンテープ0.5㎎:2.5㎠
ホクナリンテープ1㎎:5.0㎠
ホクナリンテープ2㎎:7.5㎠
上記を踏まえると、マトリックス型製剤ならうまく切れば用量は調整できるのではないか?
メーカーに確認をとると大抵保証できないとの回答。
だたし、ホクナリンテープに関してはマイランのHPに以下のような記載がある。
上手に切れば問題ないと思われる。
同じ理論から、複数枚貼っても問題なし。
一方2017.3イクセロパッチにおいては以下の適正使用のお願いが出された。(適正使用のお願い)
IFには「単位面積当りのリバスチグミン含有量が同一の円形のパッチ剤」と記載があるため、理論上はホクナリンテープと同じようにカットはできるように思える。
膜制御型に関しては、薬物層から薬液が漏れたり制御膜が破壊されると放出制御ができなくなる恐れがあるため不可。
(ex:ニトロダームTTS)
マトリックス型/粘着剤制御型
薬物含有層が個体、半固体であり、その下の粘着層を通過して薬物が徐々に放出される。または、粘着層に薬物が含まれているシンプルな構造。薬剤を結晶化したり、拡散性を調整することで放出を制御している。
(ex:ホクナリン、フランドル、フェントス、ネオキシ、ビソノ、イクセロン、デュロテップMT※、ノルスパン) ※MTになる前はリザーバー型であった
製品名に使われれているTTSとは、経皮治療システム(transdermal therapeutic system)の略であり、経皮吸収型製剤による薬物治療を指す。
カットの可否
マトリックス型の放出量は面積に比例する。各薬剤の規格と面積を比較してみるとよくわかる。
ホクナリンテープ0.5㎎:2.5㎠
ホクナリンテープ1㎎:5.0㎠
ホクナリンテープ2㎎:7.5㎠
上記を踏まえると、マトリックス型製剤ならうまく切れば用量は調整できるのではないか?
メーカーに確認をとると大抵保証できないとの回答。
だたし、ホクナリンテープに関してはマイランのHPに以下のような記載がある。
ホクナリンテープを切って分割貼付することは、お勧めしておりません。~中略~主薬含量は面積に比例します。従って、分割貼付した場合も複数枚貼付した場合でも面積が同じであれば、同等の有効性が確保できると考えられます
上手に切れば問題ないと思われる。
同じ理論から、複数枚貼っても問題なし。
一方2017.3イクセロパッチにおいては以下の適正使用のお願いが出された。(適正使用のお願い)
本剤はカットして使用しないでください。
本剤をカットして使用した場合の有効性及び安全性は確認されておりません。
本剤をカットして使用した場合の有効性及び安全性は確認されておりません。
IFには「単位面積当りのリバスチグミン含有量が同一の円形のパッチ剤」と記載があるため、理論上はホクナリンテープと同じようにカットはできるように思える。
膜制御型に関しては、薬物層から薬液が漏れたり制御膜が破壊されると放出制御ができなくなる恐れがあるため不可。
代表的な経皮吸収型製剤
・ホクナリンテープ(0.5㎎、1㎎、2㎎)
・イクセロン、リバスダッチパッチ(4.5㎎、9㎎、13.5㎎、18㎎)
・フェントステープ(1㎎、2㎎、4㎎、6㎎、8㎎)
・デュロテップMTパッチ(2.1㎎、4.2㎎、8.4㎎、12.6㎎、16.8㎎)
・デュロテップMTパッチ(2.1㎎、4.2㎎、8.4㎎、12.6㎎、16.8㎎)
・ノルスパンテープ(5㎎、10㎎、20㎎)
・フランドルテープ(40㎎)
・ネオキシテープ(73.5㎎)
・ビソノテープ(4㎎、8㎎)
・ミリステープ(5㎎)
・メディトランステープ(27㎎)
・ニトロダームTTS(25㎎)
・ニコチネルTTS(10,20,30)
・ニュープロパッチ(2.25mg、4.5㎎、9㎎、13.5㎎、18㎎)