乾癬治療薬の種類

乾癬の概要と治療薬

乾癬とは

乾癬は青年期から中年期に好発する慢性再発性炎症疾患。
通常乾癬というと「尋常性乾癬」を指すことが多い。
その他乾癬性関節症、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症がある。

・症状
皮膚の紅斑、フケ、皮膚の脱落(鱗屑)
発症部位は頭部→手足→背中と継時的に変化。

・原因
原因は不明だが、皮膚の異常増殖、免疫異常がみられるため、これらをターゲットとした治療を行う。

乾癬組織では樹状細胞、T細胞(主にTh1,Th17)が増加しており、これらの細胞が産生するIL-12,17,23、TNFαにより炎症・角化が起こっていると考えられている。


治療薬一覧

乾癬の治療に用いられる主な薬は以下の通り。
以下の薬剤を単剤または併用する。

外用(基本治療)
・ビタミンD3製剤
・外用ステロイド

重症の場合
・ビタミンA誘導体
・メトトレキサート
・免疫抑制剤(シクロスポリン)
・生物学的製剤

ビタミンD3製剤

角化細胞の増殖抑制、分化誘導により角化異常を改善。
外用剤だが高カルシウム血症の報告があるため注意。
軽度~重度まで幅広い症状に使用される。
有効性及び安全性が高い。
効果発現までに1~2週間必要。

主な薬剤
・カルシポトリオール(ドボネックス)
・タカルシトール(ボンアルファ・ボンアルファハイ)
・マキサカルシトール(オキサロール)

外用ステロイド

単剤での使用は推奨されておらず、通常ビタミンD3製剤との併用(混合)で使用される。
塗布部位に合わせランクを選ぶ。
(顔:Medium、体・四肢:Very Strong~Strong、重症:Strongest)
速効性があり、通常寛解導入を目的として使用。


ビタミンA誘導体

嚢胞性乾癬には第一選択となる。

薬剤
・チガソン

生物学的製剤

上記外用剤と比べ高い効果が期待できる。
外用剤でコントロール不良、症状が全身の10%以上に発現(添付文書にも記載あり)、難治性といった場合に使用が限定されている。
(進行性の関節破壊をきたす関節症性乾癬については、日常生活に支障が現れる以前に関節破壊を抑制することが重要であり、関節破壊進展抑制のエビデンスを有する強力な治療の導入を、早期から考慮することが推奨される※1)
免疫機能を抑制するため感染症に注意。
生ワクチンの接種は避ける。


主な薬剤

アダリムマズ(ヒミュラ皮下注)
TNFαに対するモノクローナル抗体。
初回に80mgを皮下注射し,以後2週に1回40mgを投与。
適応は尋常性・関節症。


ウステキヌマブ(ステラーラ皮下注)
IL-12・23に対するモノクローナル抗体。
1回45㎎で初回投与及びその4週後に投与。以降12週間隔で投与。
適応は尋常性・関節症

イキセキズマブ(トルツ皮下注)
IL-17Aに対するモノクローナル抗体。
初回に160mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80mgを2週間隔出投与。以降は1回80mgを4週間隔で投与。
適応は全ての乾癬。

セクキヌマズ(コセンティクス皮下注)
IL-17Aに対するモノクローナル抗体。
1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に投与。以降4週間の間隔で投与。
適応は尋常性・関節症・膿疱性。

ブロダルマブ(ルミセフ皮下注)
IL-17A受容体に対するモノクローナル抗体。
1回210mgを初回、1週後、2週後投与。以降2週間隔で投与
適応は全ての乾癬。
改善率はステラーラより有意に高い。


※2017年3月1日乾癬治療薬アプレミラスト錠オテズラ)が発売。

アプレミラストは既存の経口製剤とは異なり、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害する乾癬治療薬として世界初の薬剤。

PDE4を阻害することで細胞内の環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルを上昇させ、TNF-α、IL-23、IL-17およびその他の炎症性サイトカインの産生を抑制し、炎症反応を抑える




生物学的製剤の適応と有効性※1

1.尋常性乾癬および関節症性乾癬(以下のいずれかを満たす患者) 

①紫外線療法を含む既存の全身療法で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積(Body Surface Area;BSA)の 10%以上に及ぶ患者
②既存治療抵抗性の難治性皮疹または関節症状を有し、QOL が高度に障害されている患者

尋常性乾癬に対する PASI 75/90 改善率は、海外および国内の試験において、インフリキシマ ブ 69~80%/45〜57%(10 週後)、アダリムマブ 63〜81%/39〜62%(16 週後)、ウステキヌ マブ 59~76%/33〜51%(12 週後)、セクキヌマブ 77〜83%/54〜62%(12 週後)、イキセキ ズマブ 87〜90%/68〜71%(12 週後)、ブロダルマブ 83〜95%/69〜92%(12 週後)、グセル クマブ 84~91%/70~73%(16 週後)と、それぞれ高い有効性が示されている(表 1)。

 尋常性乾癬における各生物学的製剤の選択方法として、世界的に確立された基準は存在しな い。米国のガイドラインでは各生物学的製剤は全身治療の選択肢としてほぼ同列に位置づけ られているが、欧州のガイドラインにおいてはアダリムマブとセクキヌマブが全身治療のフ ァーストライン、それ以外の薬剤は他の全身治療を先ず考慮した上でのセカンドラインの推 奨となっている

※1乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2018年版) 日本皮膚科学会
 2017/03/06

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