SSRIの使い分け

4つのSSRIの種類と特徴 

SSRIの種類

・レクサプロ(エスシタロプラム)
・ジェイゾロフト(セルトラリン)
・パキシル(パロキセチン)
・ルボックス、デプロメール(フルボキサミン)

SSRI全般の特徴

・抗うつ作用は三環形うつ薬よりやや低いとされている。
・SNRIと同じく非鎮静型に分類される。
・他のうつ薬にはない社会不安障害やパニック障害に適応あり。
・セロトニン取り込み阻害に起因する消化器系副作用が多い。
・SNRIと比べると意欲改善作用はあまり期待できない。
・強さ ジェイゾロフト>レクサプロ>パキシル>ルボックス (参考指標)


各薬剤の比較

レクサプロ

適応:うつ病、社会不安障害
特徴:他剤と比べ効果が出るのが速い(1週間程度)
   初回から維持量投与でき、漸増する必要がない。(20㎎まで増量は可)
   抗不安作用が大きい。
   QT延長の副作用があるため心疾患患者には適さない

ジェイゾロフト

適応うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害
特徴プラセボ対照較試験で、日本で初めてうつ病・うつ状態の再燃抑制効果が
   示されたSSRI。
   2015.3に外傷後ストレスに対して適応獲得。
   他剤と比較し、下痢の副作用がやや多い。

パキシル

適応うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害
   外傷後ストレス障害(CR錠はうつ病・うつ状態のみ)
特徴:比較的強力。
   ジェイゾロフト、レクサプロと比較すると抗コリン作用がやや強い。
   漸減、中止による中断症状が起きやすい。
   体重増加の報告あり。

ルボックス、デプロメール

適応うつ病・うつ状態、強迫性障害,社会不安障害
特徴:多くのCYP(2D6,1A2,3A4,2C19)を阻害するため併用薬注意(禁忌多数)。
多剤と比較し、消化器系副作用が多い。
唯一8歳以上の小児への強迫性症の適応あり(H29年7月)

有効性によるランク


① リフレックス、レメロン(ミルタザピン)
② レクサプロ(エスシタロプラム
③ イフェクサー(ベンラファキシン)
④ ジェイゾロフト(セルトラリン)
⑤ シタロプラム 日本で未承認
⑥ トレドミン(ミルナシプラン)
⑦ ブプロピオン 日本で未承認
⑧ サインバルタ(デュロキセチン)
⑨ デプロメール(フルボキサミン)
⑩ パキシル(パロキセチン)

参考:Lancet.373(9665):746-758,(2009)


 2017年3月16日

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