坐薬と内服の作用発現時間 カロナールは内服の方が速効性あり
その中の1つによく使用されるアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ)やドンペリドン(ナウゼリン)がある。
アセトアミノフェンの内服と坐剤の作用発現時間
カロナール細粒
インタビューフォームを見てみると、作用発現時間に対する資料はなかったが、Tmaxは0.43±0.23(h)。
体温変化に関して、人間のデータではないがラットにおいて、100㎎、200mg投与した場合、投与後30分~1時間後にはほぼピークに達している。
アンヒバ坐剤
一方アンヒバ坐剤のTmaxは1.6±0.16(h)となっており、カロナール細粒の2倍近い。
アンヒバの体温変化に関しては、38.0℃以上の小児に100mgor200mg 坐剤を投与した場合、投与後30分以内に下降し始め、1~2時間後にピークに達し4時間後まで効果が持続とのこと。
アセトアミノフェン内服と坐薬の比較
カロナール細粒:Tmax=0.43(h) 解熱ピーク:0.5~1.0(h)
アンヒバ坐剤 :Tmax=1.60(h) 解熱ピーク:1.0~2.0(h)
ちなみ、カロナール細粒のTmaxは絶食時のデータである。
一般的にカロナール細粒はゼリーや炭水化物を多く含む食事とともに服用すると、複合体を形成してアセトアミノフェンの初期吸収速度が減少する。
このため、すぐに熱を下げてあげたいときはジュースやゼリーでの服用は避けたほうがよい。
ナウゼリンの内服と坐剤の作用発現時間
アセトアミノフェンと並びよく見る坐薬にナウゼリン坐剤がある。
ナウゼリンもナウゼリン坐剤とナウゼリンドライシロップがあるが、この2剤に関しては作用部位が異なるため単純に比較できない。
ナウゼリンドライシロップ
ナウゼリンドライシロップは服用後、血中に行く前に胃に直接作用するため坐剤より作用発現が早く、投与量も少ない。
Tmaxは0.5(h)となっており、胃壁に直接作用するだけでなく、吸収も速やかである。
ナウゼリン坐剤
Tmaxは2.0(h)となっており、ドライシロップより遅い。
ナウゼリンDSと坐剤の比較
ナウゼリンDS:1日量1mg/kgを分3 Tmax=0.5(h)
ナウゼリン坐剤:3歳未満1回10㎎、3歳以上1回30㎎、成人1回60mg Tmax=2.0(h)
3歳児の平均体重が15㎏前後なので、ドライシロップでは1回5㎎程度、坐剤だと30㎎となる。
坐薬のほうが早い薬剤
全ての坐剤が内服より遅いということではなく、ボルタレンのように、坐剤のほうが全然早いものもある。
ボルタレン錠25㎎:Tmax≒2.3(h)
ボルタレンサポ25㎎:Tmax≒0.8(h)