特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器の調剤は許可不要

特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器は条件を満たせば販売業の許可なしで調剤可能

今まで高度管理医療機器に該当する特定保険医療材料は処方箋による調剤でも、高度管理医療機器販売業の許可が必要でした。

ですが、H29.5.10「インスリン注射器等を交付する薬局に係る取扱いについて」の一部改正(医療機器審査管理課長通知)により条件を満たせば特定保険医療材料も高度管理医療販売業の許可なしで調剤できるようになりました。


今まで許可なしでも調剤可能だっインスリン注入に使う医療機器(シリンジ、針)、一体型インスリン注射器に加え、処方箋により特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器を提供する場合、許可が不要になりました。

ということで、対象品がインスリン製剤だけでなく、特定保険医療材料も加わり以下のようになりました。


対象品

・インスリン製剤の一部

・特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器(New)

薬生機審発 0510 号抜粋

インスリン注入用の医療機器

以下の条件①~③を満たせば高度管理医療機器等販売業の許可は不要

① インスリン自己注射用ディスポーザブル注射器、注射針を患者に支給する際、薬剤師が患者の当該医療機器の使用状況や使用履歴を確認した上で、当該医療機器の使用方法及び管理方法の指導を添付文書等に基づいて適切に行っていること。併せて、調剤録に必要事項を記載するとともに当該医療機器を支給した時点で、薬剤服用歴に患者の氏名、住所、支給日、処方内容等、使用状況、使用履歴及び指導内容等の必要事項を記載していること。

② インスリン自己注射用ディスポーザブル注射器、注射針の保管や取扱いを添付文書等に基づき適切に行っていること

③ 在宅業務従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づく研修を実施するとともに、定期的に在宅業務等に関する学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)を受けさせていること。なお、薬剤師に対して、医療機器に関する講習等への定期的な参加を行わせてい
ることが望ましい。
なお、医薬品・ワクチン注入用針は管理医療機器であるため、薬局がこれを取り扱う場合であっても高度管理医療機器等販売業の許可を取得する必要はない。

インスリンペン型注入器

① 一体型インスリン注入器(フレックスペン等)
薬液たるインスリンが注入器と一体であり、インスリンを使い切ったあと注入器を再使用できない、薬液と一体となった注入器は、全体として医薬品として取り扱われているものであり、これを医師の処方箋に基づき薬局において交付する場合、当該薬局は高度管理医療機器等販売業の許可を取得する必要はないこと。

② 分離型インスリン注入器
 薬液たるインスリンのカートリッジが注入器と分離でき、カートリッジ内のインスリンを使い切った後も、新しいカートリッジに交換の上、注入器を再利用できる分離型のインスリン注入器は、医師の処方箋に基づき交付することはないことから、これを取り扱う薬局は、高度管理医療機器等販売業の許可を取得する必要があること


特定保険医療材料

特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器、薬価基準に収載された高度管理医療機器は、インスリン自己注射用ディスポーザブル注射器、注射針と同様の要件(上記①~③)を全て満たし、医師の処方による場合高度管理医療機器等販売業の許可を取得する必要はない

例)特定保険医療材料に該当する高度管理医療機器
・腹膜透析液交換セット
・在宅寝たきり患者処置用栄養ディスポーザブルカテーテル
・携帯型ディスポーザブル注入ポンプ
・在宅寝たきり患者処置用膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル
・在宅血液透析用特定保険医療材料(回路を含む)
・皮膚欠損用創傷被覆材
・水循環回路セット


まとめ

高度管理医療機器販売業の許可の必要有無

インスリン分離型注射器の販売必要

インスリンペン型(一体型):不必要

特定保険医療材料に該当する高度管理医療:不必要

ただし、全て医師の処方箋による場合に限る



 2017年5月15日

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