コデインリン酸が小児に禁忌に

コデイン含有製剤の小児への投与制限 2019年から12歳未満への投与禁忌に 

H29.5.16コデインリン酸を含む薬剤の小児に対する投与について、厚生労働省は処方制限をする方針を固めたとのこと。(日刊薬業)

H29.6.23 追記
→2017.6.22の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会でコデイン類含有製剤について12歳未満の小児への使用を禁忌とすることを決めた。

経過措置は2018年末、2019年からは全て禁忌になるそうです。

今後薬事・食品衛生審議会で結論をだし、添付文書に改定等進められていくようです。

小児科の先生でリンコデガンガン出す先生いたな…

Yhaooニュースにも載っていたのでちょっと気になって調べてみました。


制限を検討するに至った理由

今回このような経緯に至ったのは、呼吸抑制の懸念及び欧米での投与制限の2点が関わっているようです。

呼吸抑制

コデインリン酸は呼吸抑制作用があるため、呼吸機能障害がある場合には慎重投与、喘息発作時には禁忌の薬剤です。

コデインリン酸に限らず、小児は成人と比べ医薬品に対する感受性が高いため、副作用発現も高くなる可能性がある。(各薬剤添付文書)


欧米・米国の対応

2点目ですが、欧米において2015年に12歳未満への投与は禁忌、12歳~18歳においても呼吸障害がある場合は推奨しないとされている。

また、米国において2017年に12歳未満への投与が禁忌になった。

欧米・米国がここ最近禁忌になったことにかなり影響を受けていそうですね。

その他諸外国では以前から注意喚起等されていたようです。

MID-NETの活用

今回コデインリン酸の呼吸抑制が問題視された理由はMID-NETの活用が挙げられるようです。

MID-NETとは、あらかじめ協力医療機関として登録した医療聞の様々な情報(レセプト、検査値、処方情報等)を蓄積・解析することで、重大な副作用の早期発見、情報提供を目的とし、PMDAが進めている医薬情報データ基盤整備事業。


医療情報データベース基盤整備事業は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年十二月二十日法律第百九十二号)第十五条第一項第五号第ハに基づく業務の一つとして、医薬品等の安全対策のさらなる向上を図るために実施するものです厚生労働省が公募により選定した協力医療機関(10カ所)を拠点とし、当該協力医療機関が保有している電子的な医療情報を網羅的に収集する医療情報データベースを構築し、将来的に全国で1000万人規模の医療情報データベースの連携体制を構築することを目指すものです。

レセプトデータベース(NDB)とは違い、MID-NETだとNDBでは確認できなかった検査値などの情報も確認できるため、より品質の高い安全対策に結びつく。

コデインリン酸の副作用について、昨年10月からMID-NETによる解析が行われており、その結果がまとまったため、このような改定の必要性があがったようです。



MID-NETプロジェクトは平成23年から始動していたとのことですが、実際に成果を上げるような解析は今のところ行われていないようなので、今回のリン酸コデインで改定などが行われれば初の成果となるようです。

ちなみに小児用量を記載している参考書を見ると1mg-1.5mg/kgくらいで載っている。




 2017年5月22日

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