フェブリクとウリアデックの違い

非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬2剤の比較

尿酸酸性抑制と言えばザイロリック(アロプリノール)が長年使われてきましたが、2011年に非プリン型の選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬としてフェブリク(フェブキソスタット)が販売され、2103年にはウリアデック(トピロキソスタット)が発売されました。

フェブリクはザイロリックと比べると尿酸値低下作用が強く、他の核酸代謝酵素を阻害せず、キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害する。

このため核酸代謝酵素で代謝されるテオフィリンなどの代謝への影響が少ない(併用注意を見比べるとその差がわかります)

後から発売したウリアデックも選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬ですが1日2回の服用が必要です。

フェブリクとウリアデックの違いはどこにあるのでしょうか。

基本情報

フェブリク(フェブキソスタット)

適応:通風、高尿酸血症、癌化学療法における高尿酸血症
用法1日1回 初回10㎎から開始 MAX60㎎
禁忌:メルカプトプリン、アザチオプリンの併用
薬価:32円/10mg 58円/20mg 109.6円/60mg

ウリアデック(トピロキソスタット)

適応:通風、高尿酸血症
用法1日2回 初回1回20㎎から開始 MAX1回80㎎
禁忌:メルカプトプリン、アザチオプリンの併用
薬価:21.2円/20mg 39.8円/40mg 58円/60mg


化学療法による適応はフェブリクだけ。
ですが、作用機序は同じなので別に使えないわけではない。

選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬ですが、両方ともメルカプトプリン、アザチオプリンは併用禁忌。

ちなみにアロプリノールは併用禁忌ではない(メルカプトプリン、アザチオプリンの用量を1/3~1/4にする旨の記載あり)

フェブリク、ウリアデックはデータがなく、具体的な減量の目安がまだないため併用禁忌となっているだけなので、今後解禁される日が来るかもしれませんね。

維持量(フェブリク40㎎、ウリアデック120㎎)の薬価は116円/dayで同じ。

臨床成績

フェブリク、ウリアデックともにアロプリノールとの比較試験がされている。
(フェブリク、ウリアデックインタビューフォーム)

フェブリクVSアロプリノール 二重盲検比較試験 8週間


ウリアデックVSアロプリノール 二重盲検比較試験 16週間


フェブリクはアロプリノールより低下作用が強い。(41.5%vs35.2%)
ウリアデックはアロプリノールと同等。(36.28% vs 34.26) 
という結果になっていますね。


通風関節炎の発症率

尿酸値の急激な変化は痛風発作の原因となります。
ですので、この手の薬は初期に痛風発作が問題となる場合があります。

フェブリク、ウリアデックの通風関節炎の発症率は以下の通り。

フェブリク


ウリアデック




ウリアデックは初回から120㎎/dayなので初期は発症率2%と高いが、最終的な維持量であるフェブリク40㎎/dayとウリアデック120㎎/dayで10週以上投与するとフェブリクのほうが発症率が高い。

フェブリクの投与量を増やすと圧倒的に発症率が高くなっていることから、尿酸を下げる効果が大きい分このような結果になっていると考えられそうです。

そもそもウリアデックは急な尿酸値変動による痛風発作のリスクを減らすため分2として開発されたらしい。

痛風発作発症率
フェブリク>ウリアデック>アロプリノール
といったところでしょうか。


薬物動態

フェブリク

代謝:グルクロン酸抱合 尿中未変化体は経口投与量の1.1~3.5%
半減期:6.2~7.3h

ウリアデック

代謝:グルクロン酸抱合 尿中未変化体は経口投与量の0.1%未満
半減期:4.3~8.0h

ウリアデック1日1回でも行けそうな…

代謝に関してはグルクロン酸抱合で、腎機能障害者に対する投与は問題なさそうに思えるが、フェブリクではAUC、Cmaxの増加がみられるが、ウリアデックは正常人との差はない


フェブキソスタットのCmaxは腎機能正常群と変わらなかったが、AUC0,24hrは腎機能正常群に比較して53 %増加した。中等度腎機能低下群のCmax及びAUC0,24hrは腎機能正常群に比較して、それぞれ26及び68%増加した(フェブリクIF)

腎機能軽度低下被験者、腎機能中等度低下被験者及び対象として腎機能正常被験者(各6
例)にトピロキソスタッ80mを絶食下で単回経口投与したときの薬物動態パラメータは腎機能正常被験者と差は認められなかった(ウリアデックIF)


フェブリクで死亡リスク増加?

日経DIで気になる記事が記載されていたので更新。

これによると、FDAが19年2月21日、フェブキソスタットの死亡リスクはアロプリノールを上回ると結論付け、警告を出した。

フェブキソスタットの大規模臨床試験(CARES)の結果では、心血管イベントの増加はみられなかった【32カ月追跡、フェブキソスタット群で335人(10.8%)、アロプリノール群で321人(10.4%)、ハザード比:1.03】が、総死亡率の増加がアロプリノールより優位に高くなっている。(ハザード比1.22 IC:1.01-1.47)


ガイドラインでは、無症候性の場合、高血圧、心疾患、糖尿病、メタボなどの心血管リスクとなる疾患がある場合は尿酸値8.0以上を目安に治療を考慮すべきとなっており、それ以外の場合では治療自体があまり推奨されていない。

そして、これら合併症を有する患者に対しても、尿酸値低下が心血管障害リスクを減少するかは十分なエビデンスがないと記載されている。

(高血圧の痛風や腎障害予防目的の東予は推奨されている。)

これに対し、厚労省は検討の結果、今後の対応については、添付文書の重要な基本的注意で、心血管疾患の発現を注意喚起するにとどまった。
同剤の位置づけについては、FDAの通知根拠となった試験は、欧米人であり、心血管イベントのより少ないアジア人のデータが少ないことなどから、注意喚起だけでよいと判断したそうです。

CARESでは50%が脱落、総死亡はサブ解析、脂肪に有意差がついた理由は不明となっている。


まとめ

尿酸値低下作用:フェブリク>ウリアデック≒アロプリノール

腎障害時はウリアデックのほうが安全。

痛風発作:フェブリク>ウリアデック


参考
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
日経DI 2019.3.12 フェブキソスタットか?アロプリノールか?

 2017/05/19

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