クレメジンのジェネリックは「マイラン」「日医工」から出ています。
マイランからでていたメルクメジンは、以前その吸着力が著しく劣っているといった論文が数多くだされた。(メルクメジン:球形吸着炭「マイラン」、キューカル:球形吸着炭「日医工」)
その一方でマイランは2006-2009年に行われた自主調査では有効性に問題はないと発表している。
結局どっちなんでしょうか。
クレメジン(球形吸着炭)
まずはクレメジンについてのおさらい。尿毒素の1つにインドキシル硫酸というものがある。
インドキシル硫酸は通常腎臓から排泄されるが、慢性腎不全(CKD)の患者では、排泄されず体内にたまる。
CKD患者において、インドキシル硫酸濃度が高いほど生命予後が悪いことが報告されている。(barretp FC et al. Clin J Am Soc Nephrol.2009;4:1551-8)
インドキシル硫酸は下記経路にて食事由来のタンパク質から産生されるが、クレメジンはインドキシル硫酸の前駆体であるインドールを腸管内で吸着し便として排泄する。
尿毒素はインドキシル硫酸だけではないが、クレメジンのターゲットはインドキシル硫酸の前駆体であるインドール。
ただし、クレメジンはインドキシル硫酸やトリプトファンにも吸着作用を示す。
ジェネリック医薬品品質情報検討会
ジェネリック医薬品品質情報検討会はブルーブックを作成している組織。
こちらの検討会により平成21年クレメジンのGEに関するワーキンググループが組織され、報告書が作成されています。球(形吸着炭製剤の品質に係る報告書)
以下報告書の内容要約。
球形吸着炭「マイラン」
インドールの吸着は同等、インドール、トリプトファンに対する吸着力は低い。
球形吸着炭「日医工」
インドール、インドキシル硫酸の吸着は同等、トリプトファンに対する吸着力は低い。
この結果より、マイランに関しては使用成績調査により有効性はあると認めるものの、インドキシル硫酸に対する吸着性が低く、臨床成績に差が出る可能性は否定できないとしている。
日医工に関しては腎毒性物質として一番問題と考えられているインドキシル硫酸に対する吸着性は同等なので、製剤自体の改善は必要ないとし、使用成績調査等により臨床効果を確認するようにとなった。
球形吸着炭「マイラン」のインタビューフォーム
マイランのインタビューフォーム上では上記物質への吸着性はクレメジンと同程度になっている。
IF上に(旧)球形吸着炭という言葉があり、構造変更されたことが伺える。
さっきのと全然違いますね…
改善した後のデータでしょうか。
時系列が変わらないので後日確認してみます。
追記
インタビューフォームにあるデータは粒子径を改善したあとのもの。
名称変更と同時に粒子径を小さくし、吸着率を上げたとのことです。(メーカー)
ただし、今だにジェネリックに変えてから効果が実感できないという医療機関が多いようで、病院単位でGEに変更したものの、元に戻した病院も多いようで、同等というのはいまいち難しそうです…
普段はジェネリック押しですが…
さっきのと全然違いますね…
改善した後のデータでしょうか。
時系列が変わらないので後日確認してみます。
追記
インタビューフォームにあるデータは粒子径を改善したあとのもの。
名称変更と同時に粒子径を小さくし、吸着率を上げたとのことです。(メーカー)
ただし、今だにジェネリックに変えてから効果が実感できないという医療機関が多いようで、病院単位でGEに変更したものの、元に戻した病院も多いようで、同等というのはいまいち難しそうです…
普段はジェネリック押しですが…