NSAIDs服用時、ムコスタ(レバミピド)などの胃粘膜保護剤併用で胃潰瘍リスクは軽減するのか?
ロキソニンなどのNSAIDs長期投与は胃潰瘍のリスクであり、予防のためPPIや胃粘膜保護剤(ムコスタ、セルベックス等)が併用されているのをよく見ます。ロキソニンの頓服に対して同時にムコスタもみたいな処方も
多いですね。
タケプロン(ランソプラゾール)、ネキシウム、タケキャブはNSAIDsの長期投与による胃潰瘍再発に対して適応を持っているいます。
オメプラゾール、ラベプラゾールは適応はないものの、同じPPIなので有効でしょうが、ムコスタ(レバミピド)でも胃潰瘍を防止する効果があるのでしょうか。
NSAIDs潰瘍の治癒率
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治癒率について、PPI(オメプラゾール)とPG製剤(ミソプロストール)、H2ブロッカー(ラニチジン)、胃粘膜保護剤(スクラルファート)の比較試験全てにおいて、PPIが勝っている。ちなみにミソプロストール8週間投与はNSAIDs投与下での潰瘍(93例)を、胃潰瘍70%、十二指腸潰瘍83.5%治癒した。
治癒率に関してはやはりPPIが一番。
次は本題の予防効果。
NSAIDs潰瘍の予防効果
各薬剤の予防効果
NSAIDs3か月以上の長期投与時において予防効果が証明されている薬剤
・PG製剤のミソプロストール
・各種PPI
・高用量H2ブロッカー
上記は多くのランダム化比較試験、メタアナリシスで有効性が証明されている。(消化性潰瘍診療ガイドライン2015)
レバミピド VS ミソプロストール
ランダム化比較試験で、胃潰瘍の既往歴がない人に対するNSAIDs投与時の潰瘍予防効果はレバミピト300㎎/dayとミソプロストール600㎎/dayで同等との報告あり。
上記2つより、既往歴のない患者において、レバミドのNSAIDs長期投与時の潰瘍予防効果は期待できそうです。
コストを考えるとPPIをだらだら投与されているよりレバミピト等に変更したほうがいいのかもしれませんね。
ミソプロストールは下痢の副作用が多く、あまり処方を見かけません。
まとめ
ムコスタでもロキソニンによる胃潰瘍リスクを減せそう。