ランソプラゾールやタムスロシンの粉砕

粉砕・脱カプセル可能な徐放製剤・腸溶錠

タケプロンOD錠(ランソプラゾール)が有名だが、腸溶錠・徐放錠の中には小さな徐放顆粒を錠剤に形成している薬剤がある。

このような薬剤は強くすり潰さなければ粉砕可能な場合がある。(そもそもOD錠は粉砕の必要がないと判断されますが)

PPIはすべて腸溶錠のため通常粉砕できないが、ランソプラゾールOD錠顆粒の集まりなので、軽くなら粉砕可能。
また、タムスロシンは徐放錠だが徐放性顆粒の集まりなので同じく粉砕可能。

徐放性製剤だが粉砕できると判断されるものをまとめてみました。


粉砕・脱カプセルできる徐放性製剤

インテバンSPカプセル
エブランチルカプセル
ケタスカプセル
ハルナールOD錠(優しく)
タケプロンOD錠(優しく)※
ニトロールRカプセル(徐放+賦形)
ボルタレンSRカプセル(徐放+即放)
ミケランLAカプセル
グラセプターカプセル(TDM対象で基本は避けるべき)

※タケプロンのみ腸溶錠


粉砕・脱カプセルできない徐放性製剤

アダラートL、CR錠
インチュニブ錠
コンサータ錠
セレニカR
デタントールR錠
デパケンR錠
テオロング錠
テオドール錠
トビエース錠
パキシルCR錠
フェルムカプセル(データなし、臭い?)
ヘルベッサー錠・カプセル
ベザトールSR錠
ベタニス錠
ミラペックスLA錠
ムコソルバンLカプセル(データなし、ドライシロップあるし)
ユニフィルLA錠


特殊なケース

バイアスピリン
胃腸障害軽減を目的とした腸溶錠なので、胃を多少荒らす可能性はあるが、粉砕しても問題はない。(原末あり)


参考:インタビュフォーム、錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック第6版、メーカー資料

カプセルによっては、徐放剤、即放剤、賦形剤などが混合している場合があるため、均一性を保つため1剤ずつ作業を行うべき薬剤もあるため注意。

一包化や粉砕で効果が落ちてしまったり逆に急激に血中濃度が上昇してしまうことは懸念すべきですが、そもそも服用すらできなければ意味がないので、グレーな選択を迫られることも多々ある気がします。

脱カプセル、軽く粉砕できる薬剤でも安定性については不明な点が多いため、薬局でやるよりは直前にやってもらうほうがより良いと思ったり。

 2017年7月28日

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