アドエア、シムビコート、フルティフォーム、レルベアの比較

気管支喘息に適応をもつβ刺激薬+ステロイド配合剤の比較


以前CODPに対する適応を調べた際に、気管支喘息に適応を持つLABAICS4種類あり、強さ等が気になったので調べてみました。

気管支喘息に適応を持つ配合剤

アドエア(サルメテロール+フルチカゾンプロピオン酸)
シムビコート(ホルモテロール+ブデソニド)
フルティフォーム(ホルモテロール+フルチカゾンプロピオン酸)
レルベア(ビランテロール+フルチカゾンフランカルボン酸)

※以下フルチカゾンプロピオン酸エステルはフルチカゾンと記載

用法

アドエア
通常:12 ディスカス:1回1吸入 エアゾール:12吸入

100ディスカス:1吸入=サルメテロール50μg、フルチカゾン100μg
250ディスカス:1吸入=サルメテロール50μg、フルチカゾン250μg
500ディスカス:1吸入=サルメテロール50μg、フルチカゾン500μg
50エアゾール :1吸入=サルメテロール25μg、フルチカゾン50μg
125エアゾール:1吸入=サルメテロール25μg、フルチカゾン125μg
250エアゾール:1吸入=サルメテロール25μg、フルチカゾン250μg

シムビコート
通常:12 11吸入
MAX:14回、12吸入+発作時合計が12吸入まで

1
吸入=ホルモテロール4.5μg、ブデソニド160μg

フルティフォーム
通常:12回 50エアゾール:12吸入 125エアゾール:24吸入

50
エアゾール :1吸入=ホルモテロール5μg、フルチカゾン50μg
125エアゾール:1吸入=ホルモテロール5μg、フルチカゾン125μ

レルベア
11回 11吸入

100
エリプタ:1吸入=ビランテロール25μg、フルチカゾンフラン100μg
200エリプタ:1吸入=ビランテロール25μg、フルチカゾンフラン200μg


ホルモテロールの量を見ると
シムビコート1吸入≒フルティフォーム125エアゾール1吸入

フルチカゾンの量を見ると
アドエア250 1吸入≒フルティフォーム125エアゾール2吸入

日本アレルギー学会のステロイドの投与量目安を見ると、
フルチカゾン100μg≒ブデソニド200μg

各薬剤の強さ比較

ホルモテロール>ビランテロール>サルメテロール

・気管支拡張作用はホルモテロールがビランテロールの4倍。
・気管支収縮抑制作用はホルモテロールとビランテロールで同等。
・ホルモテロールとサルメテロールではホルモテロールが全ての濃度においてサルメテロールより収縮抑制作用が強かった。
In VitroではcAMP産生作用がビランテロールのほうがサルメテロールより優位に高かった。
(レルベアインタビューフォーム、アドエアインタビューフォーム)


フルチカゾンフランカルボン酸>フルチカゾン>ブデソニド

・フルチカゾンフランカルボン酸はフルチカゾンと比べ、受容体親和性が1.7倍。
・フルチカゾンはブデソニドと比べ、受容体親和性2倍、抗炎症作用3.3倍。
・ただし、レルベア100とアドエア500の有効性に関して有意差は見られなかった。
(アドエアインタビューフォーム、レルベアインタビューフォーム)

単純にデータを比較しただけの強さです。
臨床試験結果を見ると、優越つけるのは難しそうです。

アドエア=シムビコート
アドエア250(1211吸入)=レルベア100(111吸入)
フルティフォーム=シムビコート

といった非劣勢の結果が多いようです。
用量も調節できるし、使いやすいでデバイス、吸入回数のものでいいような気がします…


β刺激薬の作用発現時間


ホルモテロール
シムビコート1
フルティフォーム3

ビランテロール
レルベア8

サルメテロール
アドエア15

(
各インタビューフォームより)

ビランテロールは作用発現が8分だが、ホルモテロールとの大きな差はなかったと記載されている。(ビランテロールインタビューフォーム)
適応はないが、フルティフォームもスマート療法として使えそう。

速効性、遅延性の差が生まれるのは以下の理由。

付録

アドエア
シムビコート
フルティフォーム
レルベア
β刺激
サルメテロール
ホルモテロール
ホルモテロール
ビランテロール
ステロイド
フルチカゾンプロピオン酸エステル
ブデソニド
フルチカゾンプロピオン酸エステル
フルチカゾンフランカルボン酸エステル
用法
12回 11吸入
(エアゾールは2吸入)
12
12-4吸入+発作時
12
12-4吸入
11回 11吸入
発現時間
15
1
3
8
粒子径
4.4μm
2.2-2.4μm
3.1-3.6μm
β刺激:2.7μm
ステロイド:4.0μm
デバイス
ディスカス
エアゾール
タービュヘイラー
エアゾール
エリプタ
β刺激の強さ
4
1
1
3
ステロイドの強さ
2
4
2
1

粒子径は2-3μmで中枢気道(手前)、末梢気道奥()の両方に行くとか。(中枢気道には平均25μm、末梢から肺実質にかけては0.83μmの薬剤が適している)

強さに関しては先ほど述べたようにただin Vitroの比較をしたもの。
実際の臨床での有効性は別。


 2017年7月31日

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