カロナールとイブプロフェンの強さ

小児に使用されるカロナール(アセトアミノフェン)とブルフェン(イブプロフェン) 強さや副作用の違いは?

小児に使える解熱鎮痛剤といえば以下の2つ。

・カロナール(アセトアミノフェン)
・ブルフェン(イブプロフェン)

カロナールばかり処方されているイメージですが、どちらのほうが効果が高いんでしょうか。

※4歳以下に対するイブプロフェンの安全性は確立していない。



鎮痛作用の比較

中耳炎の痛みでの比較※1
解析対象
アセトアミノフェン、イブプロフェン、プラセボの3群を比較した3つのランダム化比較試験の結果(327名)

結果
プラセボと比較した場合、アセトアミノフェン、イブプロフェンは低いエビデンスだが、48時間以内に見られる痛みに有効とされている。

アセトアミノフェンとイブプロフェンの差に関しても差はみられなかったとのこと。(とても低いエビデンス)

アセトアミノフェン、イブプロフェン間での副作用にも差はなし(とても低いエビデンス)


こちらの報告では鎮痛作用、副作用とみに差はなし



歯科治療後の痛みでの比較※2
解析対象
二重盲検無作為化比較試験7つ(2241人)を解析

結果
アセトアミノフェン1000㎎よりイブプロフェン400㎎のほうが痛みを抑えたとされている。(痛みが50%以上改善された人がイブプロフェンのほうが約1.5倍多かった):エビデンスレベルも高い



こちらの解析ではイブプロフェン400㎎>アセトアミノフェン1000㎎


別の論文では、50%以上痛みを改善するために必要な治療人数(NNT)について、イブプロフェンは2.7人、アセトアミノフェン1000㎎は4.7人となっている ※3

その他多くの文献が検索ででてくるが、イブプロフェンのほうが鎮痛作用が強いとするほうが多く見受けられた。




解熱作用の比較

小児及び成人に対する解熱・鎮痛作用※4
解析対象
アセトアミノフェンとイブプロフェンの直接比較を行っている84試験(ランダム化不明、54試験が鎮痛作用、34試験が解熱作用、66試験が安全性)

結果
小児及び成人ともに、痛み、解熱作用ともイブプロフェンのほうが優れているとされている。

また、安全性も同等とされている。



薬物療法審議会報告書※5
厚労省の症に薬物療法検討会議の報告書によると、

鎮痛作用:イブプロフェン4~10 mg/kgはアセトアミノフェン 7~15 mg/kgと同等
解熱作用:イブプロフェン 5~10 mg/kg、とくに 10 mg/kgは、 アセトアミノフェン 10~15 mg/kgよりも優れている
との報告がある。(17つのRCTのメタアナリシス)

安全性に関してはイブプロフェン、アセトアミノフェン、プラセボ間で大差はなかったとのこと。

通常イブプロフェンは5-7歳で200-300mg、アセトアミノフェンは15mg/kg。
5-7歳の平均体重は18-25kgくらいなので、イブプロフェンは少なくとも10mg/kg投与している。

そうなると、解熱、鎮痛作用ともにイブプロフェン常用量>カロナール常用量となりそう。


副作用の比較

喘息のリスク
イブプロフェンのほうが喘息に関連する疾病のリスクが低くく、アセトアミノフェンの使用は喘鳴の発症と関連していたとする報告がある。※6

 一方、アセトアミノフェンは喘息に関係ないとする論文も多数。※7

 両方ともランダム化比較試験。 有効性を比較したメタ解析でも副作用に差はないとするものが多いので、そこまで差はなさそう。


まとめ

解熱・鎮痛作用
イブプロフェン400mgアセトアミノフェン1000mg
イブプロフェン10㎎/kgアセトアミノフェン15㎎/kg

副作用
差がないとする報告が多い

鎮痛剤の強さ比較一覧はこちら

※1 Cochrane Database Syst Rev. 2016 Dec 15;12:CD011534. 
※2 Cochrane Database Syst Rev. 2013 Dec 12;(12):CD004624. 
※3 Br J Anaesth. 2002 Feb;88(2):199-214.3 
※4 Ann Pharmacother. 2010 Mar;44(3):489-506. 
※5 小児薬物療法検討会議 報告書 : アセトアミノフェンアセトアミノフェンの「小児科領域における解熱及び鎮痛」 
※6 Clin Ther. 2007 Dec;29(12):2716-23. 
※7 N Engl J Med. 2016 Aug 18;375(7):619-30. 
 2017/07/05

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