帯状疱疹後神経痛にタガメット

様々な適応外処方を見るタガメット 帯状疱疹にも使われる?

H2ブロッカーのタガメット(シメチジン)は免疫調節作用や腫瘍抑制作用があるとされており、よく適応外で使われる薬の1つです。

主な適応外処方

・尋常性疣贅(いぼ)
・肩関節石灰沈着性腱板炎
・周期性発熱
・癌
・アレルギー疾患
・帯状疱疹


蕁麻疹の患者さんに対して抗アレルギー薬を使わずにあえてタガメットを処方してきた先生がいましたが、わざわざタガメットのみにする理由はあるんでしょうか…

この疑問はさておき、砂金帯状疱疹に処方されているのを見かけたので、帯状疱疹になぜ効果があるとされているのか調べてみました。

帯状疱疹に対するシメチジンの作用

細胞性免疫を調節するサプレッサーT細胞にはヒスタミンH2受容体が存在しており、H2受容体が刺激されるとサプレッサーT細胞は活性化=免疫抑制する。

シメチジンはH2受容体を阻害するため、サプレッサーT細胞の活性化が抑制されることで免疫抑制を起こさないようにする=免疫力増加

H2受容体遮断=免疫力増加作用ということですね


帯状疱疹後神経に対する有効性


帯状疱疹の痛みは通常1~3か月で収まるが稀に(3%程度)疼痛が長期間持続する場合があり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれている。

通常は神経の痛みに効くリリカ、トリプタノール、デュロキセチン、メキシレチンなどが処方される。

この帯状疱疹後神経痛は高齢になればなるほど発症率が高くなり、その発症には免疫力の低下が関与しているといわれている。

そのため抗ウイルス薬にタガメットを併用し、免疫力を高めることで帯状疱疹後神経痛の発症リスクを減らすことができると考えられている。



ただし、文献等調べてもほとんどなかったのでどうなんでしょうか。

処方もそんなにみませんし、処方されることもあるんだなぁくらいでいいでしょうか。




 2017年7月9日

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