単剤で使用できる抗てんかん薬

てんかんの第一選択薬と単剤使用できる薬剤 

てんかん薬の中には多剤併用しなければならなかったりする薬剤もある。(特に新規てんかん薬※)

※新規てんかん薬:マイスタン(クロバザム)、ガバペン(ガバペンチン)、ラミクタール(ラモトリギン)、イーケプラ(レベチラセタム)、フィコンパ(ペランパネル)、ビムパット(ラコサミド)

イーケプラやラミクタールのように単剤適応を後から獲得した薬剤もあります。
今回は単剤でも使えるてんかん薬をまとめてみました。

その前にてんかん薬は種類、病態も多く苦手なのでとりあえず基本的な選択薬について。

てんかんの種類と第一選択薬

部分発作(単純、複雑、二次性全般化)

第一選択薬
テグレトール(カルバマゼピン)

第二選択薬
アレビアチン(フェニトイン)
エクセグラン(ゾニサミド)
デパケン/セレニカ(バルプロ酸ナトリウム)
・新規てんかん薬の中ではラミクタール、イーケプラ、トピナの順で推奨。

2010年はまだフィコンパ、ビムパットは販売されていないので記載なし。

全般発作(欠神、強直間代、ミオクロニー)

第一選択薬
・全ての全般発作に対してデパケン/セレニカ

第二選択薬
・欠神:エピレオプチマル(エトクスシミド)、ラミクタール
・ミオクロニー:ランドセン/リボトリール(クロナゼパム)、イーケプラ
・強直間代:フェノバール(フェノバルビタール)、トピナラミクタールイーケプラ(トピナ、ラミクタールよりは劣勢)

ガバペン、テグレトールは欠神、ミオクロニーを悪化させるため使用しない。

(てんかん治療ガイドライン2010)


ラミクタール、イーケプラ、トピナなどの新規てんかん薬が部分発作、全般発作どちらに対しても第二選択薬として挙がっているが、単剤で使用できないものもある。


単剤で使用できる抗てんかん薬


テグレトール(カルバマゼピン)
アレビアチン(フェニトイン)
デパケン/セレニカ(バルプロ酸ナトリウム)
フェノバール(フェノバルビタール)
ラミクタール(ラモトリギン)
イーケプラ(レベチラセタム)
エクセグラン(ゾニサミド)
エピレオプチマブ(エトクスシミド)
ビムパット(ラコサミド) 2017.8月適応追加

トピナ、ガバペン、フィコンパ、ビムパットは現時点で単剤投与での適応はなし。


新規てんかん薬と今までのてんかん薬の比較

今後エビデンスが溜まっていけばイーケプラやラミクタールなどの新規てんかん薬がが第一選択薬となっていくのでしょうか。

こちらの論部でが単剤投与した場合の有効性についてのメタ解析が行われている。

比較されている薬剤
フェニトイ、カルバマゼピン、バルプロ酸、フェノバルビタール、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラマート、レベチラセタム、ゾニサミド、(オキサカルバマゼピン)

部分発作での服用継続期間=中止になりにくい薬
レベチラセタム>カルバマゼピン、ラモトリギン
カルバマゼピン>ガバペンチン、フェノバルビタール

1年又は6ヵ月間の無発作期間
部分発作、全般発作ともに、薬剤による差はなし。


部分発作での服用開始後、初回発作までの期間の長さ
フェノバルビタール>カルバマゼピン、ラモトリギン
カルバマゼピン>バルプロ酸ナトリウム、ガバペンチン、ラモトリギン
フェニトイン>ラモトリギン

結論では、米国のガイドライン(NICE)ではカルバマゼピン、ラモトリギンが部分発作の第一選択にされているようで、その判断は適当とし、レベチラセタムも同等と結論づけている。
(Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jun 29;6:CD011412)

今後新規てんかん薬がメインになっていくんでしょうか。

最終更新:2017.9.10
 2017年8月13日

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