エルネオパとエルネオパNFの違い

エルネオパNFはビタミン類、鉄分含量が異なる?


エルネオパ輸液にはNFというものがある。
エルネオパNFはいくつかのビタミルン類、鉄の量がエルネオパと異なっている。

普通のエルネオパは2017年5月に販売中止が発表されてた。
今後はNFに切り替わっていくんですね。
どのような違いがあるのか詳しく見ていきます。


成分含量の比較

総カロリー、ブドウ糖、アミノ酸、電解質含量は同じ。
※添加物由来のAcetate,Citrateは若干異なる。

異なっている成分はビタミンB1、B6、C、K、葉酸、鉄の含量。

エルネオパNFではビタミンKと鉄が減らされ、それ以外は増加している。
この違いは何の違いなんでしょうか。

NFが作成された理由

エルネオパが発売されたのは2009年、エルネオパNFは2016年。

エルネオパのビタミン処方は、ビタミン製剤の処方根拠となったAMA1975処方(AMA:American Medical Association(米国医師会))をベースにしたものであり、微量元素は既存の TPN用微量元素製剤の処方を採用した。

近年、静脈栄養における各種栄養素の1日必要量に関する見直しやガイドラインの改訂が行われている。 米国では、ビタミンに関してAMA1975処方にかわって、2000年にFDAが新たに発出したFDA2000処方が広まっており2016年現在、 米国の市販ビタミン製剤の処方はすべてFDA2000処方に準拠している

微量元素に関しても、米国のA.S.P.E.N.American Society for Parenteral and Enteral Nutrition(米国静脈経腸栄養学会)のガイドラインや欧州のESPENEuropean Society for Clinical Nutrition and Metabolism(欧州臨床栄養代謝学会)のガイドラインが改訂されている。 

このような背景に鑑み、海外で広く使用実績のある処方を参考に、ビタミンB1B6C、葉酸、ビタミ ンKおよび鉄の処方を改良したエルネオパNFの開発に着手した。

(エルネオパNF インタビューフォーム 一部改変)

ということで、ガイドライン改定等を考慮してそれにあわせてエルネオパNFを作られたのですね。

ビタミン・微量元素の投与量

静脈経腸栄養ガイドラインを見ると、ビタミンや微量元素の投与量は食事摂取基準から算出できるとされている。

食事摂取基準2015によると、70歳以上男性の必要量は

ビタミンB1:1.0㎎/day
ビタミンB6:1.2㎎/day
葉酸:200μg/day
ビタミンC:85mg/day
ビタミンK:150μg/day

エルネオパ1号1000ml=560Kcalですが、この量でエルネオパでもNFでも上記必要量を上回っていますが…

食事摂取量を直接比較することに意味はないのですかね。
ちょっと算出の仕方がわかりませんでした。

ビタミンB1のように、静注ではブドウ糖の利用が早くなるため、通常より多く(1日3㎎)必要な成分もあるため、先に述べたAMAやFDAの基準をみるほうがよいのですかね。

まとめ

エルネオパNFでは
ビタミンB1、B6、C、葉酸が増量
ビタミンK、鉄が減量

これらは最新のガイドラインに沿って変更された

 2017年8月11日

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