クラビット点眼、ガチフロ点眼、タリビッド点眼の違い

ニューキノロン系点眼薬に違いはある? 光に対する安定性や抗菌力の比較


病院・店舗によって採用が異なり、上記3剤ともそこそこ処方を受けるのですが、何か違いはあるのでしょうか。

基本情報

クラビット点眼液(オフロキサシン)
規格:0.5%、1.5%
用法:1日3回
適応眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

ガチフロ点眼液(ガチフロキサシン)
規格:0.3%
用法:1日3回 (術前は1日5回)
適応眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

タリビッド点眼液(オフロキサシン)
規格:0.3%
用法:1日3回
適応眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

適応は3薬剤ともまったく同じ。
ガチフロのみ術前は1日5回の用法となっている。

添加物やpH、浸透圧はこれといって特徴的な物はない。

抗菌力

原因菌はほとんどがブドウ球菌、その他インフルエンザ菌や肺炎球菌なども原因菌になる。(クラビット点眼液インタビューフォーム)

各薬剤の菌種別有効性は以下の通り。

クラビット点眼液1.5%
ブドウ球菌属:100%(98例中) ※0.5%では92.3%(142例中)
インフルエンザ菌:100%(17例中) ※0.5%でも100%(10例中)
肺炎球菌:100%(25例中) ※0.5%では94.7%(19例中)

ガチフロ点眼液
ブドウ球菌属:92.3%(142例中)
インフルエンザ菌:100%(26例中)
肺炎球菌:100%(15例中)

タリビッド点眼液
ブドウ球菌属:95.9%(269例中)
インフルエンザ菌:100%(16例中)
肺炎球菌:90.9%(33例中)

(各インタビューフォームより)

クラビット1.5%に関しては全ての菌種において100%となっている。
もっとも新しいクラビット1.5%が100%なので、ガチフロ、タリビットに耐性があっても効果はありそうでしょうか。
(古い順位タリビット、クラビット0.5%、ガチフロ、クラビット1.5%)

保存方法

クラビット点眼液
室温、遮光

ガチフロ点眼液
室温

タリビッド点眼液
室温、遮光

クラビット、タリビットは光により分解、含量低下がみられるため遮光保存。

ガチフロの光による分解はごくわずかであり、遮光保存とはされていない。

副作用

クラビット点眼液
特定使用成績調査6686例中
角膜障害0.12%、刺激感0.06%(※0.5%)

臨床試験472例中
刺激感0.85%、掻痒感0.64%(※0.5%)

ガチフロ点眼液
臨床試験、特定使用成績調査の合計1866例中
刺激感0.75%、掻痒感0.43%、霧視0.11%

タリビッド点眼液
臨床試験、特定使用成績調査の合計13329例中
刺激感0.08%、掻痒感0.0.06%、充血0.04%、眼通0.04%

症例数の問題でしょうか。
タリビットはほぼ副作用なしといった状態。

クラビット、ガチフロも症例数をもっと増やせば減りそうな気もしますが。


まとめ

大きな差はないようですが…

クラビット点眼液1.5%が全ての菌種に対して有効性が高い。

ガチフロは遮光保存でなくても大丈夫。

 2017年8月4日

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