ビソノテープとメンテートの比較

ビソプロロール製剤 わざわざビソノテープを使う理由は?


ビソノテープはメインテートと同じ主成分(ビソプロロール)の貼付剤。

ビソノテープの規格には4㎎、8㎎がありますがメインテート何㎎と同じなんでしょうか。

また、わざわざビソノテープにする理由は何かあるのでしょうか。


基本情報の比較

ビソノテープ
適応
本能性高血圧
用法
1日1回4-8㎎

メインテート
適応
本能性高血圧、狭心症、心室性期外収縮、慢性心不全、頻脈性心房細動
用法
本能性高血圧、狭心症、心室性期外収縮:1日1回5㎎
慢性心不全:1日1回0.625-5㎎
頻脈性心房細動:1日1回2.5㎎-5㎎

ビソノテープは高血圧しか適応がない。
ので、次は高血圧に使用する場合の力価について見ていきます。

力価比較

第3相比較試験で、降圧作用はビソノテープ8㎎はメインテート錠5㎎と非劣勢であることが示されている。



薬物動態

以下はビソノテープ、メインテートを単回投与した場合の血中濃度推移。
ビソノテープは24時間安定して持続と記載されているが安定はしていないような…(ビソプロロールの有効濃度は不明となっている)

メインテート錠の半減期は8.6hなので、1日1回投与でも定常状態になると考えられる。(Ritschel理論:24h÷8.6h=2.8<3)

よって、ビソノテープだけが24時間安定しているというわけでもなさそう。

ただしビソノテープの半減期は21時間。
より安定するのはビソノテープと考えられる。

ビソノテープのメリット

ガイドラインにも記載があるが、高血圧治療では24時間常に血圧をコントロールできているほうが良い。
このため長時間作用型のアムロジピンなどが主流となっている。

この24時間の安定した降圧作用を可能にする方法としてテープ剤が作られたようですが、先ほどの薬物動態の項目でみたように錠剤でも定常状態になり安定はしそうなのでどちらでもよいような…

降圧薬の最終目標は血圧のコントロールによる心血管イベント等の抑制である。
この辺をビソノテープとメインテートを比較しているような試験があれば参考になるのですが…


 2017年9月29日

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