α1遮断で弛緩、M刺激で収縮 房水排出経路と毛様体筋の関係
緑内障の治療は房水の排出を促進するか、産生を抑制するか。房水の排出経路において毛様体の収縮により排泄が促進する場合と、弛緩により排出が促進する場合があり、よく分からなかったので調べてみました。
房水排出経路
房水の排出は以下の2か所で行われている。シュレム管
副交感神経刺激(コリン作動)→毛様体筋収縮→線維柱体が広がる→排出促進
薬剤:サンピロ(コリン作動)、ウブレチド(コリンエステラーゼ阻害)
ぶどう膜強膜
α1遮断・PG製剤→毛様体筋弛緩→隙間ができる→排出促進薬剤:デタントール(α1遮断)、キサラタン等(PG製剤)
(日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)128,250~254(2006))
シュレム管から排泄は、毛様体筋の収縮によりシュレム管の入り口の蓋が開くイメージ。こちらの排出経路がメインであり、90%近くを担う。
ぶどう膜強膜からの排泄は、毛様体筋が弛緩することで毛様体自体に隙間でき、そこから染み出ていくイメージ。こちらはサブルートであり、10%前後の寄与。
なんとなく流れは理解できましたが、薬理の自律神経のところでよく見るものは
ムスカリン受容体刺激(副交感神経刺激)=収縮
β2刺激(交感神経刺激)=弛緩
α1遮断(交感神経遮断=副交感神経有意=ムスカリン刺激と同じでは?)で毛様体筋が弛緩ということ自体がよくわからない。
デタントールのメーカーさんに確認したところ毛様体筋には縦に走っている筋と横に走っている筋があるらしい。
ムスカリン受容体刺激薬が作用するのは縦の筋
α1遮断薬が作用するのは横の筋
とりあえず違う筋肉に作用して収縮・弛緩しているくらいに覚えておきます。