ネオーラルの食前、食後の血中濃度

ネオーラルは食後、食前どちらでも良い


シクロスポリン製剤にはサンディミュンとネオーラルがある。

シクロスポリンは脂溶性が高く、食事の影響を受けるので空腹時投与が一般的と思っていたのですが、添付文書の用法は特に指定がない。

ネオーラルは食事の影響が少なくなるように工夫(エマルジョン化)した製剤だが、それでも血中濃度は食後・食前で血中濃度は変化する。

このためネオーラル、サンディミュン共に食前か食後どちらかに統一する必要がある。
あとは患者さんごとに血中トラフ値を測り、用量を決める。

なので統一さえされていれば食前でも食後でもよい
そもそもネオーラルは血中濃度に個人差がでやすい。

食事の影響

(ネオーラルインタビューフォーム)

ネオーラルは空腹時のほうが血中濃度が高くなる。
サンディミュンは食後のほうが血中濃度が高くなる。

ただし、ネオーラルの血中濃度の差は有意差なしとされている。( Mueller,E.A.et.al.:Pharm. Res. 11(1),151-155,1994)


その他注意すべき相互作用

食事以外にも多数注意すべき相互作用がある。

グレープフルーツ
グレープフルーツ、ブンタン、スウィーティーなどの柑橘類にて血中濃度が上昇する。

スタチン系
シクロスポリンによりスタチン系薬剤の血中濃度が上昇し、横紋筋融解等のリスク上昇。
リバロ(ピタバスタチン)でCmax6.6倍、クレストール(ロスバスタチン)でCmax10.6倍のため併用禁忌。(その他は併用注意)

ワクチン関係
生ワクチン:感染のおそれがあるため投与禁忌。

不活化ワクチン:ネオーラルの免疫抑制作用により有効な抗体産生を得られない場合があるが、健常人と同等の効果が得られている報告もあるため有益性により投与を検討。

(ノバルティス ネオーラルFAQ)




 2017年9月5日

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