ポンタールシロップの食前投与

ポンタールシロップで口内炎、咽頭痛を軽減?

そんなに多くみる処方ではないが、特定のDrから以下の処方が出される。

ポンタールシロップ3.25% 30ml 毎食前

口内炎で口の中が痛い、喉が痛、扁桃腺が腫れすぎて食事も困難といった症状の患者さんに処方されている。

気になる部分は投与量と食前投与。
食前に服用し、炎症・痛みを抑えることで食事による痛みを軽減する効果があるのだが、NSAIDsなので食前はどうなんでしょうか。

添付文書の内容は以下の通り。

ポンタールシロップ
用法:原則1日2回 空腹時は避ける
用量:小児1回6.5㎎/kg

NSAIDsなので基本は食後。
さらにシロップでは小児用量の記載しかないし、用法も1日2回まで。

大人に出されている場合がほとんどなのでポンタールカプセルの添付文書を見てみます。

ポンタールカプセル
用法:原則1日2回(6時間おきに250㎎もあり)
用量:1回250-500㎎ 最大1500㎎/day

先ほどの処方を見ると、
32.5(㎎/ml)×30(ml)=975㎎
なので、最大量は超えていない。

わざわざシロップにしているので局所作用を目的としている。

口内炎に対してはポンタールシロップでうがいするように指示する病院もある。

国立がん研究センター中央病院が作成した資料の中にはこんな記載がありました。
まさにこの使い方なわけですね。

厚労省の重篤副作用疾病別対応マニュアルの口内炎についてみると、アズレン、リドカイン+アズレン、アロプリノール、スクラルファート、アルギン酸ナトリウムについて、調整方法も含め記載されているが、NSAIDsに関して局所作用を目的とした使用は記載なし。

ただし、痛みが強い場合は通常の内服として使用するとの記載はあるため、ポンタールシロップで一石二鳥な気がします。


 2017年10月5日

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