抗アンドロゲン薬中止時のPSA低下

カソデックスやオダインをやめるとPSAが改善するAWSとは?

去勢抵抗性前立腺がんにおいて抗アンドロゲン薬を中止ルすることでPSAが改善する場合がある。

これをAWSと呼んでいるが、どのようなことがおこっているんでしょうか。


去勢抵抗性前立腺がんとAWS

去勢抵抗性前立腺がんのメカニズム

去勢抵抗性前立腺がんとは、抗アンドロゲン薬等により男性ホルモン分泌は抑制されているにもかかわらず、PSAの上昇や症状の悪化がみられる状態。

これは長期の抗アンドロゲン薬によりアンドロゲン受容体が変異を起こし、抗アンドロゲン薬が刺激薬(アゴニスト)として作用してしまっているために引き起こされると考えられている。

AWS(anti-androgen withdrawal syndrome)

AWSとは、去勢抵抗性前立腺がんの状態において、抗アンドロゲン薬を中止することでPSA低下・症状改善がみられる現象のこと。

上記メカニズムで去勢抵抗性前立腺がんが起こっているのであれば、中止により受容体刺激がなくなるので改善することは想像がつきます。


AWSの発現頻度

AWSの頻度は、PSAが50%以上低下する症例の割合が11~36%とされるが、ステロイド性抗アンドロゲン薬(プロスタール)で多い

非ステロイド性抗アンドロゲン薬(カデックス、オダイン)では11~16%程度で、平均PSA低下期間は半年程度とする報告が多い。


代替療法の有効性

カソデックスとオダインは抗アンドロゲン作用を示すメカニズムに若干の違いがあるそうです。

これにより、去勢抵抗性前立腺がんの際に、カソデックスとオダインを変更(代替療法)することでAWSと同じ現象が起こり、改善がみられることがある。

変更後の改善率
ステロイド性→非ステロイド性:83%
非ステロイド性間での変更:43%
非ステロイド性→ステロイド性:14%
(患者数80名)

ちなみに文献の中でのAWSの発現率は33%と報告されている。

nt J Urol. 2007 Feb;14(2):128-32.

 2017年10月17日

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