めまいに対するセルシンとトラベルミンの違い

めまいの際頓服で処方されるセルシン、トラベルミンの違いは?


めまいは回転性めまいと浮動性めまいに大分される。

さらに原因が脳にある場合を中枢性めまいと言い、生命の危険を伴うこともある。

今回は外来で出合う頻度の高い末梢性めまい(前庭神経炎、メニエール病など)に対して頓服で処方されるセルシン、トラベルミンの違いについて調べてみました。


セルシンの効果

セルシンは、GABA作動性である機能抑制機構を増強することで、前庭小脳で健側の前庭神経核を抑制し、前庭機能の左右不均衡を軽減し、前庭代償(前庭障害を小脳などが是正しようとすること)を促進させる。※1

※1耳展 54:4;198~202,2011

めまいはストレス、自律神経失調でも引き起こされ、めまい自体に対する不安感でさらに悪化する場合もあるため、セルシンの抗不安作用も有効である。

→前庭代償の促進と抗不安作用によりめまいを改善する


トラベルミンの効果

トラベルミンは迷路(=内耳)反応鎮静作用を示す。また、急性発作性めまいに使用し、有効性が認められている。※2

ジフェンヒドラミンは、悪心・嘔吐の原因となる嘔吐中枢に作用し、その興奮を抑制する作用を有する。※2

※2トラベルミンインタビューフォーム

→迷路反応鎮静により眩暈を改善し、嘔吐中枢のヒスタミン受容体遮断により悪心・嘔吐を抑制する。



トラベルミンは吐き気がメインかと思っていましたが、ちゃんとめまい自体の改善作用もあります。
では、どちらがめまい自体を改善する作用が強いのでしょうか。


めまいの改善作用比較

セルシンと抗ヒスタミン薬(メクリジン)について、VAS(視覚的アナログスケール)を用いて比較した試験では大差はなかった。(セルシン:メクリジン=36:40)※3
※3 J Emerg Med. 2017 Jan;52(1):23-27.



その他注意

トラベルミンは抗コリン作用が強いため緑内障、前立腺肥大に禁忌。

セルシンの抗コリン作用はトラベルミンと比べると弱いため急性狭隅角緑内障のみ禁忌。


まとめ

セルシン:前庭代償促進と抗不安作用によりめまい改善

トラベルミン:迷路反応抑制により眩暈改善、嘔吐中枢抑制により吐き気も改善

 2017/11/02

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