インフルエンザの迅速検査 感度は62% 行わなくても抗インフルエンザ薬は投与可能で保険も切られない?
2012年の日経メディカルの記事にインフルエンザの迅速検査の感度は62%であったとの記事がある。(日経メディカル 海外論文ピックアップ 2012.3.6)
このような患者さんを見逃さないためにも、迅速検査を行わないとしている医療機関もあるようです。
検査をしなくても抗インフルエンザ薬を処方して保険上は問題ないのでしょうか?
検査が陰性だから処方されない訳ではない?
インフルエンザ迅速検査で陰性だからタミフルやイナビルを処方してもらえなかったと話される患者さんに遭遇することが多々あるので知らなかったのですが、迅速検査がは必ずしも陽性でなくても、また行わなくて投与可能だそうです。検査を行わず、または陰性で抗インフルエンザ薬を投与した場合、病院側が査定を受けると思っていましたが、平成21年に厚労省から出された事務連絡(新型インフルエンザの診断と治療について)に以下のように記載されている。
1. 臨床所見や地域における感染の拡がり等の疫学情報等から総合的に判断した上で、医師が抗インフルエンザウイルス薬による治療の開始が必要と認める場合には、治療開始にあたって簡易迅速検査や PCR 検査の実施は必須ではないこと。
2. 診療報酬上も、抗インフルエンザウイルス薬の投与にあたり簡易迅速検査の実施は必須でないこと。
なので、陰性で処方されていない人は陰性だから処方されないのではなく、症状・流行状況・周囲の感染者などによりインフルエンザではないと判断されている者と思われる。
各薬剤の添付文書にも特に診断に関して迅速検査を行うようになどの記載はない。
迅速検査なしでもインフルエンザで学校は休みになる?
迅速検査が陽性だからインフルエンザの確定診断となるわけではなく、医者がインフルエンザであると診断し、診断書を作成すればインフルエンザとなるため、検査なしでも問題ないとのこと。※1
※1日経メディカル 2017.12.12インフル迅速検査 全例には必要ありません!
発熱してまだ12時間経過していないからまた明日来るようにと言われり、高熱・流行期でも陰性だったからと抗インフルエンザ薬が処方されない患者さんを見ますが、このような患者さんには処方してくれればいいのにという気持ちもありますが、むやみやたらに処方するのも・・・
保険適応ではありませんが予防投与もできるものであるので、処方してくれたほうが患者さん的には助かりますね。