個別指導の対象となる薬局の選定方法

指導の種類と対象薬局の選び方 


指導に関しては指導大綱、指導大綱実施要領等に定められている。

指導の種類

集団指導

集団指導は、保険診療の取扱い、診療報酬請求事務、診療報酬の改定内容 、過去の指導事 例等について 、講習、講演等の方法で行う。

厚労省より文書(郵送)で通知が来るので、来たら参加すればよい。


集団的個別指導

指導は、原則として少数の診療報酬明細書に基づき、個別に簡便な面接懇談方式により行う。指導の際には、翌年度においても高点数保険医療機関等に該当した場合は、翌々年度における個別指導の対象となることを伝える。


個別指導(都道府県個別指導、共同指導、特定共同指導、新規個別指導)

指導は、原則として指導月以前の連続した2カ月分の診療報酬明細書に基づき、関係書類等を閲覧し、面接懇談方式により行う。

共同指導、特定共同指導は薬局内での業務も監査され、その後指導。

都道府県個別指導は厚生局+都道府県、共同・特定共同は厚労省+厚生局+都道府県によって行われる。


対象となる薬局の選定方法

集団指導

次の選定基準に基づいて選定する。

(1)新規指定の保険医療機関等については、概ね1年以内にすべてを対象として実施する。 (2)診療報酬の改定時における指導、保険医療機関等の指定更新時における指導 、臨床研修指定病院等の指導、保険医等の新規登録時における指導等については、指導の目的、内 容を勘案して選定する。


集団的個別指導

保険医療機関等の機能、診療科等を考慮した上で診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。以下同じ。)の1件当たりの平均点数が高い保険医療機関等※(ただし、取扱件数の少ない保険医療機関等は除く。以下「高点数保険医療機関等」という。)について1件当たりの平均点数が高い順に選定する。

なお、集団的個別指導又は個別指導を受けた保険医療機関等については、翌年度及び翌々年度は集団的個別指導の対象から除く。


※補足(集団的個別指導及び個別指導の選定の概要について)
点数が高い医療機関とは…
レセプト1件当たりの平均点数が次の都道府県の平均点数の一定割合を超えるもの
薬局の場合は1.2倍かつ、前年度及び前々年度に集団的個別指導又は個別指導を受けた保険医療機関等を除き、類型区分(薬局は1区分のみ)ごとの保険医療機関等の総数の上位より概ね8%の範囲のものが対象となる。


個別指導

(1)都道府県個別指導 

次に掲げるものについて、原則として全件都道府県個別指導を実施する。

①支払基金等、保険者、被保険者等から診療内容又は診療報酬の請求に関する情報の提供があり、都道府県個別指導が必要と認められた保険医療機関

②個別指導の結果、第7の1の(2)に掲げる措置が「再指導」であった保険医療機関等又は「経過観察」であって、改善が認められない保険医療機関等

③監査の結果、戒告又は注意を受けた保険医療機関等

④集団的個別指導の結果、指導対象となった大部分の診療報酬明細書について、適正を欠くものが認められた保険医療機関等

集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績においても、なお高点数保険医療機関等に該当するもの(ただし、集団的個別指導を受けた後、個別指導の選定基準のいずれかに該当するものとして個別指導を受けたものについては、この限りでない。)

⑥正当な理由がなく集団的個別指導を拒否した保険医療機関等

⑦その他特に都道府県個別指導が必要と認められる保険医療機関等

※高点数保険医療機関等に該当する保険医療機関等とは、翌年度の実績において、集団的個別指導を受けたグループ内の保険医療機関等の数の上位より概ね半数以上である保険医療機関等を指す。



(2)共同指導 

①過去における都道府県個別指導にもかかわらず、診療内容又は診療報酬の請求に改善が見られず、共同指導が必要と認められる保険医療機関

②支払基金等から診療内容又は診療報酬の請求に関する連絡があり、共同指導が必要と認められる保険医療機関等

③集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績においても、なお高点数保険医療機関等に該当するもの(ただし、集団的個別指導を受けた後、個別指導の選定基準のいずれかに該当するものとして個別指導を受けたものについては、この限りでない。)

④その他特に共同指導が必要と認められる保険医療機関等

通常午前は薬局にて業務を監視され、午後はあらかじめ提出した書類・歴確認


(3)特定共同指導 

①医師等の卒後教育修練や高度な医療を提供する医療機関である臨床研修指定病院、大学附属病院、特定機能病院等の保険医療機関

②同一開設者に係る複数の都道府県に所在する保険医療機関

③その他緊急性を要する場合等であって、特に特定共同指導が必要と認められる保険医療機関等

★通常午前は薬局にて業務を監視され、午後はあらかじめ提出した書類・歴確認


(4)新規個別指導

上記個別指導の選定とは別に新規開局後、おおむね1年後に呼ばれる。

上記厚労省の資料に「新規個別指導」という項目はないが、指導状況を見ると個別指導と新規個別指導が別に表記されている。

指導方法等は都道府県個別指導と同じ。(患者数は10名)



★処方箋単価が県内上位8%で集団的個別指導に呼ばれ、そのうち上位50%が個別指導。
★新規開局1年後に個別指導。
★個別指導でさらなる指導が必要な場合は共同指導、特定共同指導に呼ばれる可能性。





-----------------------------------------------------------------------------------

参考情報

個別指導までの流れ

個別指導までの準備と当日までの流れ。

①個別指導の通知が指導日のだいたい4週間前に届く。
②指導日10日前までに事前提出書類を作成して送付する。
③事前に患者リストが送られて来てその患者の処方箋や薬歴などを用意する (新規の場合は1週間前10件その他個別指導の場合1週間前に15件、指導日前日に15件の計30件


必要書類

当日までに準備

(1)調剤録等(別途連絡する患者に係る直近1年分)
・調剤録
・処方せん
・薬剤服用歴の記録(電子薬歴システムから出力した印刷物となる場合は、入力・変更の履歴が確認できるもの)
・薬剤服用歴管理指導料に係る薬剤情報提供文書
・薬剤服用歴管理指導料に係る手帳への記載内容の分かるもの
・在宅患者訪問薬剤管理指導料に係る薬学的管理指導計画書及び医師に対して訪問結果について必要な情報提供をした文書

※調剤録等について、電子データで持参される場合は当事務所まで連絡下。
※薬剤服用歴の記録について、書類が膨大になる場合は当事務所までお問い合わせ。

(2)施設基準等に関する届出、関係書類及び帳簿等

(3)商業登記簿謄本等
・商業登記簿謄本(出資状況が確認できる書類を添付)
・定款
・総勘定元帳④寄付行為に係る関係書類(寄付行為がある場合)

(4)不動産登記簿謄本又は賃貸借契約書

(5)薬局の管理に関する帳簿(業務日誌)

(6)領収証(控)(保存している場合、直近1年分程度)

(7)領収証及び明細書の様式(記載前のものを各1部)

(8)患者ごとの一部負担金徴収に係る帳簿又は患者ごとの内訳のある日計表等(直近1年分程度)

(9)保険外負担一覧表(患者の希望に基づく、内服薬の一包化・甘味剤等の添加・服薬カレンダーの提供等)

(10)審査支払機関からの返戻・増減点通知に関する書類(直近1年分程度)

(11)請求事務を外部委託している場合は、その契約書等

(12)医療用医薬品及び特定保険医療材料等の購入・納品伝票(直近一年分程度)

(13)局内・局外掲示物(コピー、写真で可)

(14)同一開設者となっている他の保険薬局がある場合は、その一覧(様式は任意で各保険薬局の名称及び所在地を記したもの。)



事前に提出

・薬局の概要
・薬局の平面図(ビルの場合、各階の平面図)
・薬局付近の見取り図(近所の薬局及び医療機関を含めて記入されているもの)
・調剤業務(患者の受付から帰るまでの薬局内における業務)及び調剤報酬請求事務(調剤報酬明細書の作成から審査支払機関に請求するまでの薬局内での事務)についての流れ図
・後発医薬品調剤割合
・保険薬局処方せん等調べ
・在宅患者に対する薬学的管理及び指導の実績
・医療材料及び衛生材料一覧
・電子薬歴システムの概況について
・返戻及び増減点通知
・開設者及び管理薬剤師の略
・FAX番号連絡票

※様式が指定されているのでそれにそって記載。

 2018年1月22日

関連記事