Mediumに分類されるステロイド剤アルメタとキンダベートの比較
以前ロコイドとキンダベートの強さ、副作用について記載(こちら)しましたが、今回は同一処方箋にアルメタ軟膏とキンダベート軟膏があったのでこの2剤について調べてみました。ロコイド、アルメタ、キンダベートはすべてMediumに分類されており、Drの好みもあるのかとは思いますが、インタビューフォームなどを見ると若干の違いがある。
抗炎症作用
アルメタ軟膏の抗炎症作用はmedium領域の上位にランクされており、アルメタ軟膏はロコイド軟膏に比べて、1.25~2.85倍の皮膚血管収縮能(≒抗炎症作用)を示すとされている。※1
一方のキンダベート軟膏はロコイド軟膏と同等の抗炎症作用とされている。※2
上記をまとめると
アルメタ軟膏≧キンダベート軟膏≒ロコイド軟膏
これらは各種動物実験のデータによるものなので臨床的にどこまで差が出るかはわかりませんが、どちらが強いかと言われたらアルメタということになるのでしょうか。
局所・全身副作用の比較
・全身に対する副作用アルメタはロコイドに比較して全身作用(血清コルチゾー ル値への影響)が弱いとされている。※1
対するキンダベートもロコイドより血清コルチゾールへの影響は低く、その全身作用・皮膚萎縮作用はweek並みとされている。※2
アルメタ、キンダベートとロコイドの全身作用(副作用)/局所作用(=主作用)の比較がインタビューフォームにそれぞれ記載されている。
分母と分子が入れ替わってしまっているので、キンダベートにそろえてアルメタも全身作用/局所作用で同じにすると、
マウス:アルメタのC/A=1.0、ロコイドのC/A=3.2
ラット:アルメタのC/A=1.0、ロコイドのC/A=2.3
※値が小さいほうが全身作用=副作用が少ない。
アルメタのほうはアルメタの全身・局所作用を1とした場合、キンダベートの場合はベタメタゾンを基準とした場合となっているため直接比較はできないが、どちらもロコイドよりは全身作用が少ない事がわかる。
アルメタ≒キンダベート?
・局所に対する副作用
局所作用に関してはアルメタとロコイドに関しては差がなかったとされている。
一方のキンダベートはロコイドより少なかった(副作用に差がないとの報告もあるが)との記載があるので、若干キンダベートのほうが影響が少ないのかもしれない。
キンダベート≦ロコイド
まとめ
抗炎症作用:アルメタ≧キンダベート≒ロコイド
全身副作用:ロコイド≧アルメタ≒キンダベート?
局所副作用:ロコイド≒アルメタ≧キンダベート