低血糖を起こす可能性のある薬剤

低血糖の報告がある薬剤とその発生機序

重篤副作用疾患別対応マニュアル(低血糖)を見ると、低血糖の報告がある薬剤が多数記載されている。

この中で日頃よく処方される薬剤をピックアップ。
作用機序がわかっているものはその機序も。


不整脈治療薬

・シベノール(シベンゾリン)
・リスモダン(ジソピラミド)
・ピメノール(ピルメノール)
※上記3つはクラスⅠaの薬剤=カリウムチャネル抑制作用あり
・ソタコール(ソタロール)
※クラスⅢ=カリウムチャネル抑制作用あり

→膵β細胞のATP感受性Kチャネル抑制によるインスリン分泌促進

降圧薬

・ARB、ACE
→作用機序不明。

・β遮断薬
→β遮断作用(特にβ2)によるグリコーゲン分解抑制

抗生剤

・ニューキノロン系
→明確な機序は不明。インスリン分泌促進作用がみられたとの報告あり。

・クラリスロマイシン
→作用機序不明。アジスロマイシン、エリスロマイシンでは報告なし。
 グリベンクラミドと併用にて発現あり(CYP関係?)

・セフェム系(~ピボキシル)
→ピボキシル基の排泄にカルニチンが使用され、低カルニチンとなる。カルニチンはβ酸化に必要。


以下は副作用報告件数の上位薬剤。
因果関係不明のもの、報告件数のため使用量により差が出るため何とも言えないが、ニューキノロンが血糖降下薬並みの報告件数となっている。
 2018年4月30日

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