低用量マクロライドの「低用量」とは?
マクロライドの低用量療法は、びまん性汎細気管支炎(DBP)という細気管支の慢性炎症疾患に有効であったことから発見された。
現在では慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎、COPDなどに対する有効性が報告されている。
現在では慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎、COPDなどに対する有効性が報告されている。
低用量マクロライド療法で用いられるマクロライドは主に14員環系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン)であるが、15員環のアジスロマイシンでも有効とされている。16員環は無効。※1,5
低用量マクロライドの作用は以下のようなものがある。※2
・気道上皮細胞の粘膜過剰分泌抑制=喀痰減少
→ムチン、クロライドチャネルを介した水分泌抑制
・好中球の炎症部位への凝集抑制=抗炎症
→IL-8遊離抑制、好中球の血管内皮への接着抑制
・細菌のバイオフィルム形成抑制=感染予防
低用量マクロライドが使用される疾患
低用量マクロライドの用量
適用がないので用量の決まりがありませんが、低用量とはどの程度がいいのでしょう。
以下の成人量は呼吸器学会のガイドラインに記載されていたDBPに用いる場合の用量。
DBP以外に対しても同様の作用を期待しているため、この用量で使用されていることが多い。
以下の成人量は呼吸器学会のガイドラインに記載されていたDBPに用いる場合の用量。
DBP以外に対しても同様の作用を期待しているため、この用量で使用されていることが多い。
エリスロマイシン
成人:400-600mg/day※5 (通常800~1200㎎)
小児:8-12mg/kg/day※4
小児:8-12mg/kg/day※4
クラリスロマイシン
成人:200-400㎎/day※5 (通常400㎎)
小児:通常の1/2-1/5 (通常10-15mg/kg/day)※3、4-8mg/kg/day※4
小児:通常の1/2-1/5 (通常10-15mg/kg/day)※3、4-8mg/kg/day※4
ロキシスロマイシン
成人:150-300/day※5 (通常300㎎)
「macrolide,low-dose,rhinosinusitis,RCT」で検索した臨床試験で用いられていた用量は
クラリスロマイシン250㎎が5つ、アジスロマイシン250㎎が1つ ロキシスロマイシン150㎎1つ。
海外ではクラリスロマイシンは1錠250㎎のようです。
クラリスロマイシン250㎎が5つ、アジスロマイシン250㎎が1つ ロキシスロマイシン150㎎1つ。
海外ではクラリスロマイシンは1錠250㎎のようです。