オルケディアとレグパラの比較

新規経口カルシウム受容体作動薬オルケディアとレグパラの違いは?



カルシウム受容体作動薬について、以前注射剤のパーサビブと経口剤のレグパラの違いを調べてみましたが、今回第2の経口剤が薬価収載されました。

腎不全になると、P排泄障害及びCa吸収低下により、
高P・低Ca → 2次性副甲状腺機能亢進 → 高P・高Ca
となる。

低Ca時は活性型ビタミンDにて治療を行うが、高CaとなるとビタミンDは使用しにくいため、Caを上げることなくPTHを抑制できるカルシウム受容体作動薬を使用することになる。

オルケディアはレグパラに勝る部分があるのでしょうか。

オルケディアの特徴

以下はオルケディアノインタビューフォームに記載されている特徴。

"シナカルセト塩酸塩(レグパラ)は高い血清PTH濃度の低下効果を示す一方で、上部消化管に対する副作用が一定の割合で発現する。

これらの症状は患者の負担であると同時に、十分な効果を示す用量までシナカルセト塩酸塩を増量できない一因となっている。

また、シナカルセト塩酸塩は強いチトクロームCYP2D6阻害作用を有するため、三環系抗うつ薬やブチロフェノン系抗精神病薬等の血中濃度を上昇させる可能性があり、これらの薬剤との併 用には十分注意しなければならない。このようなシナカルセト塩酸塩が有する問題を軽減するCa受容体作動薬の開発が望まれてきた。

エボカルセト(オルケディア)はシナカルセト塩酸塩と同様にCa受容体に対するアロステリック作動活性を有するとともに、上部消化管に対する副作用を軽減できる可能性が示唆された。また、CYP分子種に対して強い阻害作用を示さなかった。"

シナカルセト:消化器系副作用とCYP阻害が問題
→この2点を改善したのがオルケディアとのこと。


では実際にどの程度改善されているのでしょう。

作用機序

オルケディアはレグパラ同様カルシウム受容体に対してアロステリックに作用し、PTH分泌及び副甲状腺細胞増殖を抑制する。

この点に関してはレグパラと全く同じです。


副作用

オルケディア
低カルシウム血症:16.8%
悪心・嘔吐:8.8%(悪心4.7%、嘔吐4.1%)
腹部不快:3.7%
下痢:3.2%

※臨床試験時493例


レグパラ
低カルシウム血漿:14.7%(血清カルシウム減少含む)
悪心・嘔吐:21.6%
胃不快:18.7%
食欲不振:9.8%
腹部膨満:5.9%

※臨床試験573例

※消化器系副作用の発生機序
シナカルセトを服用することで消化管に存在するカルシウム受容体に擬似的なCa負荷が加わり、アセチルコリン遊離が抑制され副交感神経系の抑制による症状が起こると考えられているが、明確にはわかっていないとのこと。

確かに消化器症状は減っている。
消化器系副作用の機序がわからないのに、減少させることができるのもすごいですね。

重篤な副作用のQT延長がレグパラで5.3%なのに対し、オルケディアでは0.6%となっているところも気になります。
QT延長の発症に低カルシウムが関与しているとの考察があるが、今回の低カルシウムの頻度と見比べるとあまり関係がないようにも思える。


薬物動態

相互作用

オルケディア
タウリン抱合、グリシン抱合、グルクロン酸抱合→CYP関連の相互作用なし

テオフィリンは機序不明でテオフィリン血中濃度やや上昇。


レグパラ
CYP3A4で代謝→CYP3A4阻害薬により血中濃度上昇
CYP2D6を阻害→CYP2D76で代謝される薬剤の濃度上昇
※併用禁忌はなし


どちらも尿中未変化体はほとんど検出されない。


透析除去率

オルケディア:除去されない(腹膜透析で2.3%以下の除去はあり)
レグパラ:影響は少ない(非透析日と透析日間における薬物動態パラメータに差異は認められなかった)

どちらも透析による影響は少ないようです。


有効性

血清intactPTH濃度の管理目標値(60~240pg/mL)達成割合についてオルケディアのシナカルセト塩酸塩に対する非劣性が認めらている。

ただし、副次評価項目(PTH30%以上低下割合)を見ると、オルケディア76.9~86.7%、レグパラ83.9~91.9%となっている。


まとめ

オルケディア:消化器系副作用軽減、CYP関連の相互作用なし、有効性は非劣勢


参考
オルケディアインタビューフォーム
レグパラインタビューフォーム
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライ
 2018/05/20

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