スタデルムとインテバンの違い

皮膚疾患に用いるNSAIDsと関節痛に用いるNSAIDs外用剤の違いは?

整形領域でよく処方されるのがインテバンクリーム、ボルタレンゲル、ロキソニンゲルなどのNSAIDsの外用剤。

湿布が貼りにくい場所だったり、かぶれてしまう人によく処方される。

一方のスタデルムクリームやコンベッククリームはNSAIDsを主成分とする外用剤だが、関節痛などの整形領域の痛みには適応がなく、皮膚疾患に用いる。

インテバンやボルタレンを皮膚疾患にもちいることはできないのでしょうか?


基本情報

スタデルム(軟膏、クリーム)

成分:イブプロフェンピコノール
適応:急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹、尋常性ざ瘡


インテバン(軟膏、クリーム、外用液)

成分:インドメタシン
適応:下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛


上記の通り、スタデルムは皮膚疾患、インテバンは整形と綺麗に分かれている。

イブプロフェンピコノールはイブプロフェンの誘導体であり、イブプロフェンより強い抗炎症作用を持っている。※1

通常皮膚疾患といえばステロイドだが、ざ瘡や帯状疱疹のように免疫抑制作用のあるステロイドが使いにくい疾患やステロイド特有の副作用が出てしまっている場合に使用される。


吸収と分布

適応から考えて、スタデルムは皮膚まで、インテバンは関節・筋肉に多く分布するのかと考えますが、どうなのでしょうか。


スタデルム
イブプロフェンピコノール2mgをウイスター系ラット正常皮膚に経皮投与したとき、皮膚内濃度は24時間後に最高値(539.83μg/g)を示し、血漿、肝、腎、膵では低く、いずれの時間も1μg/mL又は1μg/g 以下であった。(ラット)

本剤のクリームを健常成人男子に 1日30g密封塗布した時の血中代謝物は、イブプロフェンとその代謝物の血中濃度はいずれも 0.4μg/mL以下。※1

インテバン
塗布により、インドメタシンは経皮吸収され、皮膚内、特に角質層に多く貯留し、さらに筋肉等皮下組織まで死闘することが認められている。(ラット)
皮膚内濃度:36μg/g(1mg/7cm2軟膏塗布後6時間) ※筋肉1.1ug/g

軟膏10gを1回塗布した場合、6時間後に最大血中濃度19.3ng/mlI(=0.019ug/ml)となった。※2


皮膚内濃度はスタデルムが圧倒的に高い。
インテバンは筋肉まで透過するとの記載があり、その濃度は1.1ug/gとのこと。

インテバンの有効血中濃度は0.2-1.0ug/mlらしい。
筋肉に1.1ug/g浸透していれば十分効果はありそう。

ロキソニンは2mg/kgラットに投与すると最大で筋肉には0.4ug/ml、皮膚には0.8ug/ml移行している。

ロキソニンゲルとパップは生物学的に同等で、100㎎投与した際に角層中に10ug/3.2cm2前後存在していたらしい。こちらはヒトなので上記と比較するのは微妙。※3

角層は皮膚。ロキソニンで、筋肉ではなく角層の比較で意味あるんでしょうか。


スタデルムと同じく皮膚疾患に用いられるウフェナマート(コンベック、フエナゾール)も皮膚表面への移行性は高いが、深部への移行は少ないとされている。※4

とりあえず、スタデルムは皮膚移行性に優れているという認識でよいでしょうか。


まとめ

スタデルムやコンベックは皮膚移行性〇、皮膚内濃度が高くなる。
深部への移行性は少ない。

インテバンやロキソニンは筋肉や関節などの深部まで透過するが、皮膚内濃度はそれほど高くならない。

※1スタデルムクリームインタビューフォーム
※2インテバンクリームインタビューフォーム
※3ロキソニンゲルインタビューフォーム
※4コンベック添付文書

 2018/07/07

関連記事