毒薬、劇薬

毒薬、劇薬の販売・交付、保管、譲渡・譲受の記録


毒薬・劇薬の表示(医薬品医療機器等法第44条)

第四十四条 
  毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「毒薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもつて、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。

2 劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品(以下「劇薬」という。)は、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもつて、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。

3 前二項の規定に触れる毒薬又は劇薬は、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。


販売・交付の制限(医薬品医療機器等法第45条,47条)

第四十五条 
  店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び医薬品営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、第五十八条の規定によつて施された封を開いて、毒薬又は劇薬を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。 第四十七条 毒薬又は劇薬は、

第四十七条
14歳未満の者その他安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には、交付してはならない。


→これらは処方箋による交付以外の話。

→医師などの処方せんにより「調剤された医薬品」は、特定の人へ の使用が決まっているので、薬事法上の医薬品には該当せず、従って「毒薬・劇薬」に当たら ないので、14歳未満であっても販売・交付することは可能。(北海道薬剤師会)



毒薬・劇薬の保管(医薬品医療機器等法第48条)

第四十八条 
  業務上毒薬又は劇薬を取り扱う者は、これを他の物と区別して、貯蔵し、又は陳列しなければならない。

2 前項の場合において、毒薬を貯蔵し、又は陳列する場所には、かぎを施さなければならない


※その他
毒薬等の適正な保管管理等の徹底について(医薬発418号)

2.保管管理について 
(1)毒薬について  毒薬については、薬事法第48条の規定に基づき、適正に貯蔵、陳列、施錠の保管管理を行うとともに毒薬の数量の管理方法について検討し、これを実施すること。  また、毒薬の受払い簿等を作成し、帳簿と在庫現品の間で齟齬がないよう定期的に点検する等、適正に保管管理すること。 

(2)劇薬について  劇薬についても、薬事法第48条の規定に基づき、適正に貯蔵、陳列を行うこと。  また、劇薬の受払いを明確化し在庫管理を適切に行う等、劇薬の盗難・紛失及び不正使用の防止のために必要な措置を講ずること。


→医薬品医療機器等法上には帳簿に関する記載はないが、平成18年のこの事件(リンク参照)をきっかけに上記通知が出され、毒薬については帳簿を作成しなけれなければならない状況になっている



毒薬・劇薬の譲渡・譲受記録(医薬品医療機器等法第46条)

第四十六条 
  薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者(第三項及び第四項において「薬局開設者等」という。)は、毒薬又は劇薬については、譲受人から、その品名、数量、使用の目的、譲渡の年月日並びに譲受人の氏名、住所及び職業が記載され、厚生労働省令で定めるところにより作成された文書の交付を受けなければ、これを販売し、又は授与してはならない。 

2 薬剤師等に対して、その身分に関する公務所の証明書の提示を受けて毒薬又は劇薬を販売し、又は授与するときは、前項の規定を適用しない。薬剤師等であつて常時取引関係を有するものに販売し、又は授与するときも、同様とする。 

3 第一項の薬局開設者等は、同項の規定による文書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該文書に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供を受けることができる。この場合において、当該薬局開設者等は、当該文書の交付を受けたものとみなす。 

4 第一項の文書及び前項前段に規定する方法が行われる場合に当該方法において作られる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて電子計算機による情報処理の用に供されるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。)は、当該交付又は提供を受けた薬局開設者等において、当該毒薬又は劇薬の譲渡の日から二年間、保存しなければならない


→常時取引を行っている卸から購入する際は特に記録は不要。(通常の医薬品としての記録は必要)

→処方箋による交付も記載不要。

→薬剤師、薬局間、医師、歯科医師、医療機関のに対しては身分証の提示があれば上記記録は不要。


※その他
毒薬等の適正な保管管理等の徹底について(医薬発418号)

前項で記載したように、毒薬に関しては帳簿を作成し、現在庫の管理をしなければならない。(劇薬は不要)



まとめ


交付:14歳未満には交付禁止。(処方箋による交付は問題なし)

譲渡:常時取引先、薬局間・医療機関等(身分証提示)では特別な制約なし 

帳簿:毒薬は必要(帳簿により現在庫を管理)

保管:他の薬剤と別、カギをかける



 2018年8月22日

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