解熱剤の熱性けいれん予防効果

カロナールで熱性けいれんは予防できる? ジアゼパムは常に使うべき?

熱性けいれんは小児の発熱とともに生じる痙攣。

ガイドラインの定義では、生後6~60か月までの乳幼児に起こる、38℃以上の発熱に伴う発作性の痙攣(明らかな原因がない)とされている。

医師によっても解熱剤の使用に関して意見が異なりますが、ガイドライン上のエビデンスはどうなっているんでしょうか。

熱性けいれんの種類

単純型熱性けいれん
持続時間が15分未満

複雑型熱性けいれん
以下のいずれかに該当する場合

・部分発作の要素(=てんかん)
・15分以上持続する発作
・24時間以内に複数回の発作


熱性けいれんの再発率

以下の場合、熱性けいれんの再発率は50%とする報告(メタアナリシス)がある。

・1歳未満の場合
・両親(又は一方)の熱性けいれん既往歴


また、以下の4つのいずれにも該当しない場合は再発率14%3つに該当する場合は63%との報告あり。

・両親(又は一方)の熱性けいれん既往歴
・1歳6か月未満の場合
・短時間(1時間以内)に2回以上の発作
・非高体温時(39℃以下)での熱性けいれん



また、初回発作時の発熱が39℃以下の場合、再発率が高いとされている。
(熱が低くて起きた=発作閾値が低い=起こりやすいと考えられている)


熱性けいれんとてんかん

熱性けいれん発症患者のうち、てんかんを発症する患者は2.0-7.5%とのこと。
てんかんの一般発病率(0.5-1.0%)よりやや高くなっている。※1


解熱剤による予防効果

熱性けいれんの予防には解熱剤のイメージですが、ガイドラインでは上記の通り十分なエビデンスはないとされています。

熱性けいれんに対する解熱剤の予防効果に関する質の高いランダム化比較試験は多くあるが、予防できるとするエビデンスはないとのこと。



ジアゼパム投与の基準


ジアゼパム投与により再発率を有意に低下させることは確かだが、その反面副作用(不活性、睡眠障害、失調、鎮静、眠気等)がみられる例もあるため、ガイドラインでは上記基準のもとで使用することを進めている。

38.5℃以上の患者に対して投与した場合、再発率が6か月時点で11%、12か月時点で15-16%に抑えられたとのこと。

また、投与の目安となる熱は37.5と記載があるが、これはあくまで目安であり、平熱等を考慮し、患者個々に設定するように記載がある。


投与量、投与間隔に関して、指導せんや添付文書にあるように、0.5㎎/kgの投与で15分で治療域濃度に達成し、その後8時間は継続、8時間後の追加投与で24時間は治療域を保つことができる。

3回目の投与について

2回使用後(24時間以降)の投与については以下の2点が説明されている。

・8時間後の2回目投与により、24時間以上(36-48時間)効果があるとする報告もあるため、必要な場合のみ(例えば、発熱48時間以降に再発した経験がある)投与すればよい。

・熱性けいれんは発熱から24時間以内に起こる場合が圧倒的に多いため、発熱24時間以内を予防することが重要である。


発熱が続いている場合、24時間後も投与したくなるところですが、必ずしも必要というわけではなさそうです。


まとめ

解熱剤による熱性けいれんの予防効果は十分なエビデンスなし

ジアゼパムは痙攣を予防するが、副作用とのバランスが大切

3回目(24時間後)のジアゼパム投与は既往歴等により判断

参考
熱性けいれん診療ガイドライン2015
ダイアップインタビューフォーム

 2018年9月7日

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