薬局におけるスポーツ振興関係の処理

薬局でスポーツ振興センター法による災害共済給付を使いたいと言われたら?

学校の管理下で怪我や体調不良に対しては、スポーツ震興センター法の給付制度を使うことができる。
(怪我の範囲や給付に関する詳細はスポーツ振興センターHP参照)


この制度を使うと若干プラスでお金が戻ってくるため、最初は公費(こども医療費給付制度など各県の助成制度)を使って無料にしている人でも後日スポーツ振興に切り替えたいという方がでてきたり、最初からこちらの制度を希望される方がいる。


スポーツ振興センターの給付制度概要

給付対象の範囲

負傷
原因が学校の管理下で生じた負傷で、医療費用(10割)が5000円以上の時。

疾病
原因が学校の管理下で生じた疾病(文部科学省令で制定)で、医療費用(10割)が5000円以上の時。
(疾病:食中毒、ガス等による中毒、熱中症、、溺水、異物の嚥下、漆等による皮膚炎、外部衝撃による疾病、負傷による疾病)

その他、障害、死亡にもあり。



給付の金額

医療保険で係る費用の4割が支払われる。


例)薬局での医療費総額(10割)が1000円の場合

スポーツ振興から400円支払われる。

もし薬局で通常処理すると、3割負担なので患者さんからは300円。
この300円が普通ならこども医療費助成により0円になる。

なので、こども医療費助成を使うより1割分(この場合100円)プラスとなる。
これは療養に伴って要する費用の分とされている。



支払い請求の期限

給付事由(負傷・疾病)が発生してから2年

その後係った費用は月ごとに翌月10日の翌日から2年。
例)H30.9月にかかった費用は、H30.10.10から2年の間に請求しないと時効





薬局が行う業務

対応手順

① 公費は使わないので、医療保険のみで入力。(受付時点でスポーツ振興を使うとわかっている場合)

② 患者さんが持ってきた専用用紙(別紙3様式7)に必要事項を記載する。(下記図参照)

③ 記載後患者さんに返却、病院でもらった医療費等の状況と一緒に学校に提出するように説明。


薬局の記載事項

薬局では対してやることはありません。

別紙3様式7は通常学校から患者さんに渡されている。
労災や自賠責と違って請求はなく、患者さん自身に学校に提出してもらいます。

記載すべきことは

・療養の年月日
・処方の年月日
・処方発行元の医療機関名、発行医師名
・調剤内容(薬剤名、点数等:レセプトを参考に転記)
・合計点数
・薬局名記名押印

自賠責と異なり、文書作成料は無料


その他注意点
・公費は使用せずで医療保険のみで入力、通常の保険請求を行う。
・初回の時点ではスポーツ振興を使うことが確定していなかったり、後日突然変更をお願いされたりするので、月内であれ医療保険のみで入力しなおして患者負担分を徴収。
・既に医療保険+公費で請求済みの場合は返戻依頼or過誤請求


まとめ

スポーツ振興利用時薬局でやることは

・患者さん(保護者)が持ってきた専用用紙(様式7)に必要事項を記入して返却。
・医療保険のみで入力し、自己負担分を徴収
・受付時にスポーツ振興を使用することがわからなかったり、後日変更したい旨の連絡がった場合などはレセプト請求注意。

 2018年10月31日

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