在宅業務を行えない施設一覧

薬局薬剤師による高齢者向けの住宅・施設を対象とした在宅患者訪問薬剤管理指導、居宅療養管理指導の算定可否

施設には介護保険法で定められている介護保険施設とそれ以外の施設に大分される。

薬局の在宅業務(在宅患者訪問薬剤管理指導、居宅療養管理指導)を行える施設と行えない施設があるが、施設の種類が多くわかりにくいのでまとめ。


介護保険施設

介護保険法により定められている要介護者にサービスを提供できる施設。
下記3種類がある。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護保険法 7条の24
"この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第20条の5 に規定する特別養護老人ホーム(入所定員が30人以上であるものに限る。以下この項において同じ。)であって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。”

・通常要介護3以上。常時介護が必要な人。
・終身まで見てくれる。

・設置根拠:老人福祉法
・医師の配置:非常勤、常勤

介護老人保健施設(老健)

介護保険法 7条の25  
”この法律において「介護老人保健施設」とは、要介護者(その治療の必要の程度につき厚生労働省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第94条第1項の都道府県知事の許可を受けたものをいい、「介護保健施設サービス」とは、介護老人保健施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話をいう。”

・病状が安定し、入院の必要はないが看護や介護が必要な人。
・基本的には回復、退所が前提。

・設置根拠:介護保険法
・医師の配置:常勤

介護医療院

介護保険法 8条第29
"介護医療院とは、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、 施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機 能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。"

・長期にわたり医療提供が必要な人。

・設置根拠:介護保険法
・医師の配置:常勤


介護保険施設以外の施設

・サービス付き高齢者向け住宅
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・ケアハウス(軽費老人ホーム)
・グループホーム
・養護老人ホーム

※ケアハウス、養護老人ホーム以外は民間施設


2011年、高齢者住まい法では以下の3種類があった。

・高齢者円滑入居賃貸住宅
・高齢者専用賃貸住宅
・高齢者向け優良賃貸住宅

この法律が廃止され、サービス内容により以下のように分けられた。

・老人ホームと同種のサービスを提供→サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム
・住まいの提供のみ→サービス付き高齢者向け住宅
・適合高齢者専用賃貸住宅→サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム


居宅療養管理指導、在宅患者訪問薬剤管理指導の算定可否

以下資料:中医協 総4-4 23.12.16より
※⑥=今でいうサービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム

居宅療養管理指導が算定できる
・養護老人ホーム
・ケアハウス
・有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム

在宅患者訪問薬剤管理指導を算定できる
・特別養護老人ホーム(末期がん患者のみ)
・ケアハウス
・有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅

基本的には介護保険施設は不可。(特養の末期がん患者のみ例外)
それ以外は算定できるといったところです。


 2019年3月11日

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